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英EU離脱がポンド建て資金調達を妨げ、英M&Aにリスク-関係者

  • 英事業・資産の買い手企業はユーロやドルでの資金調達迫られる
  • 英EU離脱リスクを理由に一部銀行はローン提供に二の足

英国が計画する欧州連合(EU)離脱を巡るリスクからポンド建てローンの確保は難しくなっており、英国資産の買収を望む企業にとって障害となりつつある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  プライベート・エクイティ(PE、未公開株投資)会社アポロ・グローバル・マネジメントは、英包装・容器製造のRPCグループに対する買収提案に向け、ユーロ建てとドル建てのローンで資金の大半を調達することを余儀なくされた。詳細は部外秘だとして関係者が匿名を条件に明らかにした。アポロとRPCは先週、交渉を延長した。

  関係者によると、RPC買収提案に向けた資金調達の小さな部分はポンド建てとなる見込みだが、他通貨建てよりも借り入れコストは高くなるという。

  メルローズ・インダストリーズやユナイテッド・テクノロジーズによる英国資産売却などを含め最近、入札が不調に終わった件の幾つかは、金融機関が二の足を踏んだことが原因だと、関係者2人は話した。入札者は提示額を引き上げるための資金を調達できず、最終的に撤退したという。

  ブルームバーグの集計データによると、今年これまでに発表された英国の事業・資産を巡る取引は約38億ドル(約4170億円)と、2018年の同時期よりも76%少なく、この調子が続けば1月として12年以来の低水準となる見通し。欧州で今年、価格条件が決まったポンド建てレバレッジドローンや債券はない。ポンド建て債券発行は昨年、無秩序なEU離脱でボラティリティーが高まり資金調達コストが上昇するとの観測から、急激に落ち込んだ。

  金融機関は英国の合意なきEU離脱やそれに伴う国内経済への打撃を警戒し、英企業のリスクを引き受けることに依然として慎重だ。イートン・バンス・マネジメントのロンドン在勤ポートフォリオマネジャー、ジェフ・モラー氏は、ポンドはバリュエーションベースではなお魅力があるもの、英国のEU離脱について多様な結果が想定されることを踏まえれば、回復への道のりは平たんではないだろうと予想した。

原題:Brexit Is Said to Cut Borrowers’ Access to Pounds, Risking M&A(抜粋)

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