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日銀会合注目点:物価の下方修正、景気後退・円高局面の追加緩和手段

  • 展望リポートの物価見通しは19年度を中心に下方修正される見込み
  • 景気後退時に有効な追加緩和策ないと8割が回答-エコノミスト調査

日本銀行は23日の金融政策決定会合後に政策運営方針を発表する。金融政策は現状維持が見込まれている。経済・物価情勢の展望(展望リポート)で物価見通しがどの程度下方修正されるかに加え、先行き不透明感が強まる中、景気後退や円高進行時の対応に関する黒田東彦総裁の見解に注目が集まる。

  国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、2019年の世界経済の成長率が3年ぶりの低水準になると予想、貿易問題を巡る緊張があらためて高まれば、一層減速するだろうと警告した。米中貿易摩擦などの海外リスク増大への懸念を黒田総裁がどの程度強めているかも今後の政策を占う上で鍵になる見通し。

ブルームバーグのエコノミストの見方に関する記事はこちらをご覧ください

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda and Bank of France Governor Francois Villeroy de Galhau Speak At The Paris Europlace Financial Forum

黒田東彦日銀総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ブルームバーグがエコノミスト50人に行った事前調査では、1人を除き全員が現状維持を予想した。2019年中に政策変更(金融引き締め、金融緩和のいずれか)があるとの回答は28%と昨年12月の前回調査(34%)を下回った。次の政策変更は金融引き締めとの回答は82%と引き続き多数を占めたが、世界経済の先行き不透明感が強まる中、追加緩和との回答が18%とやや増加した。

  昨年12月の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年比0.7%上昇と、前月の0.9%から伸び率が縮小。エネルギーを除くコアコアCPIは0.3%上昇と引き続き0%近傍で推移している。原油価格の下落や円高の影響で、コアCPIは年内にマイナスに陥るとの見方も出始めている。展望リポートの物価見通しは19年度を中心に下方修正される見込みだ。

  ドル・円相場は3日に一時1ドル=104円87銭と昨年3月以来の円高水準を付けた。円高がどの水準まで進んだ時点で日銀が追加緩和を行うか事前調査で尋ねたところ、回答した39人の水準は90円~103円で中央値は98円となった。追加緩和の効果に関しては「ない」との回答(24人、53%)が「ある」との回答(21人、47%)を上回った。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  会合は従来、総じて正午から午後1時の間に終了している。黒田総裁は午後3時半に記者会見を行う。 

注目点
理由
展望リポートの下方修正昨年10月時点での18年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)は0.9%上昇、消費増税の影響を除く19年度は1.4%上昇、20年度は1.5%上昇
景気後退の可能性元理事の早川英男氏は「19年度後半から来年にかけて景気の転換点が来ると考えるのがごく自然」と指摘
円高への見解東京市場が休場だった3日早朝、ドル・円相場は一時1ドル=104円87銭と昨年3月以来の円高水準に大幅上昇
追加緩和の手段ブルームバーグ調査では、仮に景気後退に陥った場合、有効な追加緩和策があるかどうかに関して、38人(79%)が「ない」と回答

前回の決定内容

  • フォワードガイダンス「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」
  • 長期金利(10年物国債金利)の誘導目標は「0%程度」、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得る
  • 短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」
  • 長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどは「約80兆円」
  • 指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れは年間約6兆円、市場の状況に応じて上下に変動し得る、不動産投資信託(J-REIT)買い入れは同900億円
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