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ロシアが北方領土で強硬姿勢、22日に安倍・プーチン会談

更新日時
  • 日本の領有権主張は「国連憲章違反」-ロシア・ラブロフ外相
  • 首脳会談前に「最悪の状況」、慎重な交渉を-筑波大・中村教授

北方領土問題を含む平和条約締結交渉を巡り、ロシア側から日本を強くけん制する発言が続いている。22日にモスクワで行われる安倍晋三首相とプーチン大統領による25回目の首脳会談を前に、双方の主張の隔たりが改めて浮き彫りとなった形だ。

  ロシアのラブロフ外相は16日の会見で、日本が国後、択捉、歯舞、色丹4島の領有権を主張していることについて「国連憲章上の義務に明白に違反している」と批判。「北方領土」の呼称も問題視し、日本は「第二次世界大戦の結果を認めていない世界で唯一の国だ」と語った。ウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)も同日、クリル諸島(北方領土)はロシア領であり、誰にも引き渡すことはないと語った。

President Trump Attends Armistice Commemorations

ラブロフ・ロシア外相

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg

  
  一連の発言について筑波大学の中村逸郎教授は、首脳会談を前にして「最悪の状況だ」と懸念を示す。ロシアの本音が見えてきている中で、日本政府は慎重な交渉をすべきであり、「前のめりになりすぎないようにしないといけない」と指摘した。

  日ロ首脳は昨年11月、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結交渉を加速させることで合意。安倍首相は15日の政府与党連絡会議で、「プーチン大統領と胸襟を開いてじっくりと話し合い、できるだけ交渉を進展させたい」との決意を示していた。

  また、安倍首相は4日の年頭記者会見で、北方領土に暮らすロシア人に「日本に帰属が変わるということについて納得し、理解してもらうことも必要」と発言。ロシア側はこれに反発し、モルグロフ外務次官は上月豊久駐ロ大使を呼び、抗議した。「戦後外交の総決算」を掲げる 安倍首相は歯舞、色丹の2島先行返還も視野にロシア側との一致点を探っている。

   安倍首相は21日、出発に先立ち記者団に「平和条約交渉をできるだけ進展させたい」との意欲をあらためて表明した。

Japan's New Foreign Minister Taro Kono Interview

河野太郎外相

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日ロ関係の専門家であるテンプル大学日本校のジェームズ・ブラウン氏は、ロシア側の厳しい発言が心変わりなのか、日本から最大限の譲歩を引き出すための交渉戦略なのかは判然としないものの、安倍首相の数年来の努力はほとんど利益をもたらしていないようだと指摘。さらに「日本の立場は確かに軟化した。とは言え、日本の軟化や、ロシアに対する8項目の経済協力プラン、25回目の首脳会談といったことで日本が取引に近づいたようには見えない」とも述べた。

(安倍首相の出発前コメントを追加して更新しました.)
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