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【コラム】華為問題は米国の誇りを懸けた本気の戦いだ-Culpan

  • 民事裁判に絡んだ連邦捜査、刑事訴訟に発展する公算
  • 知財は米国のプライドであり喜び-トランプ大統領も不満ぶつける

中国最大のスマートフォン・通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が米企業から機密情報を盗んだとの疑惑を巡り連邦当局が捜査に乗り出したことで、米政府の同社への対応がさらに厳しくなりそうだ。
 
  TモバイルUSが自社のロボット技術を盗んだとして華為を相手取り起こした訴訟など民事裁判に絡んで捜査が行われており、これが連邦当局による華為の起訴につながる可能性があると米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
  

In the Shadows

U.S. tech products trail transport, oil, gas & chemicals in terms of export growth to China

Source: U.S. International Trade Administration

  トランプ米大統領が仕掛けた対中貿易戦争の中核となる論拠が知的財産の窃盗であることから、知財絡みの連邦当局による捜査というこの動きは、米経済利益の本丸を守るための戦いという意味合いを鮮明にする。華為、ひいては中国に対し米国が基本的に問題があるとしているのは次の3点だ。

  • イランに対する制裁措置に関する違反
  • スパイ活動の支援・教唆(きょうさ)
  • テクノロジーの窃取

  外国に対する制裁を米国が極めて真剣に捉えていることは、対イラン制裁違反を理由に米国がカナダにいた華為の孟晩舟最高財務責任者(CFO)の逮捕を要請したことでも明らかだ。

  米国が身柄引き渡しを求める孟CFOは、イランへの輸出を行った複数の企業と華為との関係について虚偽を述べ米国を欺いたのではないかとの疑いも持たれている。禁輸措置違反となれば、米国が制裁を望む国に対する米政府の立場を弱くし、制裁が実際に米国の安全保障と経済的利益を強化しているのかとの議論にも発展し得る。

At the Forefront

China's growth in exports to the U.S. is dominated by technology, much of which is developed by American companies

Source: U.S. International Trade Administration

  スパイ活動疑惑は、国家安全保障と主権の問題に直接関わる。華為が関与したとの確たる証拠はないが、ポーランドでは華為社員が中国のためにスパイ活動をしていたとして当局に逮捕された。華為の創業者である任正非最高経営責任者(CEO)は数年ぶりに沈黙を破り、国外メディアの取材に応じる中でスパイ活動への同社の関与を否定した。

  知財を巡る刑事捜査、それに続く刑事訴訟となれば、米国は本気だろう。知財は米国のプライドであり喜びだ。トランプ大統領でさえこれに関し、中国にテクノロジーが盗まれているとして不満をあらわにしている。米国そして米国の世界的優位性を根本から支える原理である知的財産を守るための戦いが、華為を標的とする戦争を極めて現実味を帯びたものにし始めている。
 
  (Tim Culpan=高燦鳴=氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでテクノロジーを担当しています。以前はブルームバーグ・ニュースでテクノロジーの取材をしていました。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Now the U.S. Case Against Huawei Is Getting Real: Tim Culpan(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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