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日経平均銘柄に売り-日銀のETF買い入れウエート変更観測

更新日時
  • Fリテイリの実質浮動株比率、早ければ4カ月でゼロ%と岡三証試算
  • シティGは日経平均型の減額も、JPモルガンは早期変更なしと予想

東京株式市場で日経平均株価の指数としての割高さが解消方向へ向かっている。日経平均は1年超にわたりTOPIXに対してアウトパフォームしてきたが、日本銀行の上場投資信託(ETF)購入政策のウエート変更観測も加わって足元では急速な巻き戻しが起きている。1月3週の日経平均は前週末比1.5%高。TOPIXの同1.8%高に対して伸び悩んだ。

  日経平均とTOPIXの両指数の相対的な動向を示すNT倍率は、2014年以降もみ合いの続いた12倍台のレンジを飛び抜けていたが、足元ではこの動きが止まった。昨年12月21日には2000年以降で最高の約13.5倍を記録した一方、今月17日には約13.2倍と3カ月ぶりの低水準となった。株式市場で日銀による日経平均採用銘柄の買いが細るとの見方が広がっているからだ。 

  指数ウエートで日経平均が低下しTOPIXが上昇すると、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ、ユニー・ファミリーマートホールディングスなどが不利になる半面、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、任天堂などが有利になりやすい。

  岡三証券の阿部健児チーフストラテジストは日銀ETF買いの副作用が突出しているのがFリテイリで、同社株の流動性が速いスピードで低下しているため、日銀が日経平均型の再引き下げを行うタイミングは「早ければ来週、遅くとも年内にはあるだろう」と予想する。

  阿部氏は足元のNT倍率低下について、「日銀が日経平均型のウエートを低下させるとサプライズになることから、マーケットの一部では警戒して値がさ株を売っている」と語る。同氏によると、昨年6月末時点のファーストリテイリングの日銀保有分を差し引いた実質浮動株比率は3.6%だったが、日経平均での同社株のウエート上昇で昨年12月末には0.5%まで縮小したと試算。現行の買い入れを続ければ実質浮動株比率がゼロ%になるのは早ければ「4カ月程度」という。

  日銀は2018年7月の金融政策決定会合で、年間6兆円の購入ペースを据え置いた上で、「買い入れ額は上下に変動しうる」とすることを決定。日本株低迷を背景として、昨年は6兆5040億円と年間で過去最高額を買い入れた。7月会合では日経平均型を減らしTOPIX型を増やす連動指数のウエート変更も同時に行っているものの、買入額そのものが膨らむ中で需給面への悪影響懸念は払しょくされていない。岡三証試算の現在の指数連動比率はTOPIXが83.1%、日経平均は10.7%、JPX日経インデックス400が1.2%、設備・人材投資が5%。

  また、シティグループ証券の北岡智哉チーフストラテジストは「日銀は年内、ETF買いの総額6兆円は見直さないとみているが、ユニクロやユニファミ、東洋製缶など個別株の価格形成にゆがみが出ている」と分析。その上で日経平均型ETF買いは「ゆがみはそのたびごとに対応してきているため、基本的には一段と減らしそう」と話す。

ユニー・ファミリーマートホールディングスの問題はついてはこちらをご覧ください

前月後半から低下傾向に

  もっとも、早期の指数ウエート変更の可能性は低いとみる向きもある。JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは「マーケット機能をよりフレキシブルにするという観点からTOPIXのウエートを上げることは理にかなっている。変更の話はいつ出てきてもおかしくない」と前置きしながらも、「日銀にとっていま重要なのは政策変更でノーマライズやタイトニングのイメージを出さないこと。マーケットのムードがまだ不安定な時に普通に考えればやらなくてよい」と指摘した。

  18日の日経平均は前日比1.3%高の2万0666円07銭、TOPIXは同0.9%高の1557.59といずれも1カ月ぶりの高値水準となった。

(最終段落に指数の終値を追記します.)
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