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商談にはホステス必須-#MeToo時代も根強いアジア接待文化

  • クラブやキャバクラでの「男の付き合い」、中国・韓国・日本で盛ん
  • アジアで女性が職場で平等に扱われるようになるまで道はまだ遠い

東京の銀座、ソウルの江南、北京の朝陽の繁華街では、ウィークデーのほぼ毎晩、おなじみのシーンが繰り広げられる。夕暮れ時になるとカラオケバーやホステスが待つクラブにビジネスマンが集まり、若い女性の接待を受けながら取引を成立させたり親交を深めたりする。

  風紀を乱して結ぶ絆とでも呼ぶべきだろうか。セクハラや性暴力を告発する「#MeToo」運動が欧米を席巻する中で、あまり感心されない企業文化かもしれないが、アジアの一部では今も、ビジネスマンが同僚や得意先とともに、客をもてなしてお金をもらうのが仕事のホステスがいる店を訪れ、彼女らと酒を飲んだりカラオケを歌ったりする。場合によって、違法な性的関係を持つこともある。

Tokyo

ガールズバーの呼び込みをする女性(新宿区)

写真家:林典子/ブルームバーグ

  上海の新興企業で働く女性社員、レジーナ・ユアン氏(27)に話を聞いてみた。彼女の仕事には出張してくる顧客の接待が含まれるが、数晩続けて飲みに連れて行くことも多いという。身を守るのは総じて自己責任。顧客は中国の一流の投資銀行、保険会社および金融機関のビジネスマンらで、ベンチャーキャピタルの顧客も増えているという。

  ユアン氏は「自分も男だと考えて割り切るしかない」と話す。「顧客や投資家が上海に来たとき、ホステスがいるクラブに連れて行くのは定番の観光コースのようなもの。連れて行かないと、客を大切にしなかったと思われる」と説明した。

Tokyo

歌舞伎町にある風俗関連の案内所

写真家:林典子/ブルームバーグ

  このような接待の伝統は、アジアで女性が職場で平等に扱われるようになるまで道がまだ遠い現状を浮き彫りにする。高級クラブやキャバクラはただの遊び場ではなく、ビジネスマンが力を見せ合う場であり、そこで酒を飲むことがキャリアを左右する。女性は、こうした場から閉め出されて人脈作りの重要な機会を失うリスクがある。また、こうした文化を受け入れて接待の場に同行すれば、女性蔑視にさらされる。

#MeTooにもかかわらず成長続けるアジアのホステスクラブ

(出典:ブルームバーグ)

  投資銀行で5年間セールスを担当後に退社した上田絢氏(31)は、男性中心の業界に働く女性として居心地の悪い思いをすることがあったと振り返る。男性同僚とともに行ったキャバクラや高級クラブで男性たちはおおっぴらに不倫や買春の話をし、会社が女性社員に接待をさせれば経費節約になるなどと口にしたという。

Bonding over Sleaze

  京都外国語大学の国際貢献学部グローバルスタディーズ学科の根本宮美子教授は、多くの女性にとって、こうしたことには我慢するか黙って会社を去るかの選択肢しかないと指摘。アジアでも「#MeToo」運動が徐々に芽生えつつあるが、高級クラブなどでの接待慣行が衰えを見せないのは女性たちが置かれるこうした状況が一因だと話した。

  アジアで#MeTooがもっと広がりを見せるためには、フェミニズムや男女平等についての意識を国民の中で高める必要があるとも付け加えた。

Tokyo

ガールズバーの広告が描かれたトラック(東京)

写真家:林典子/ブルームバーグ
Seoul

ソウルの江南地区

写真家:David Ducoin / Gamma-Rapho via Getty Images

原題:Dealmaking in Escort Bars Thrives in Pockets of Corporate Asia(抜粋)

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