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日銀は100円突破の円高で追加緩和、効果ないとの見方が過半数-調査

  • 追加緩和が予想されるドル・円相場水準、回答者39人の中央値は98円
  • 緩和手段はETF買い増しが多数、マイナス金利の資金供給の見方も
10,000 yen banknotes.

10,000 yen banknotes.

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
10,000 yen banknotes.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行はドル・円相場が1ドル=100円を超える円高になれば追加緩和に踏み切るとエコノミストの多くはみている。

  10-15日にエコノミスト50人を対象に実施した調査で、今後円高が進行した場合にどの水準で日銀が追加緩和を行うか尋ねたところ、回答した39人の水準は90円~103円で中央値は98円となった。追加緩和の効果に関しては「ない」との回答(24人、53%)が「ある」との回答(21人、47%)を上回った。

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  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、近年の日銀政策の最も大きな決定要因は「実質的には円高対策への政治的な要請であり、今後もやはり為替の動向が鍵になってくるだろう」とみる。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストも同意見で、「歴史的にみて追加緩和はほぼ必ず円高株安への対応だ。次回もそうだろう」と予想する。

日本銀行

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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は2018年4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、実質輸出が近年「為替レートによる影響を受けにくい構造に変わってきている」との分析結果を示した。日銀のチーフエコノミストである調査統計局長を務めた門間一夫前理事は8日のインタビューで、「向こう数カ月で100円くらいまで円高が起こっても全く驚かない」とした上で、その程度で「日本経済がぐらつくことは全くない」と語った。

  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは「日銀は公式には言わないが、本音ベースでは異次元緩和の波及パスは為替を通じた効果がほぼ全てと考えている可能性があり、円高の進行に対しては過敏に反応する」と指摘する。

  東京市場が休場だった今月3日早朝、ドル・円相場は一時1ドル=104円87銭と昨年3月以来の円高水準を付けた。財務省と金融庁、日銀の幹部は4日、12月20、25日に続き3週連続で3者会合を開催。浅川雅嗣財務官は会合後、「過度な変動は望ましくない」とした上で、「必要なことがあれば適切な対応をする」と語った。

ドル・円相場の推移

  調査結果では、緩和手段として指数連動型上場投資信託(ETF)の買い増しを挙げる向きが多かった。そうした中、河野氏は「マイナス金利での資金供給」を提唱。円高対策としてマイナス金利を深掘りしつつ、「金融機関への悪影響を軽減するため、貸し出しなどに関連付けた条件や制限を設けてマイナス金利で資金供給を実施する」案だ。早川英男日銀元理事も16日のインタビューで同様の提案をしている。

  ただ、追加緩和による効果は限定的との見方も多い。三井住友信託銀行の花田普調査部経済調査チーム長は「円高に歯止めをかけるほどのインパクトのある政策は期待しにくく、最終的に海外経済の動向に振り回される結果になる」とみる。明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストも「どのみち日銀の打つ手は限られているとの認識が浸透しているため、為替への影響は不確実性が高い」としている。

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