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LINE:みずほや野村との提携で7800万ユーザーの財布に照準

  • 顧客が銀行選ぶ時代「金融を民主化」-LINEフィナンシャル社長
  • LINE証券は年内、銀行業務は2020年秋めどの開業目指す

LINE(ライン)は拡大中の金融事業で、国内約7800万人のスマホアプリユーザーに証券、銀行、決済、保険といった業務を一括提供できる「手のひら金融」の構築を目指す。みずほ銀行など大手企業と組むことによる信用力を生かして新規顧客を開拓していく方針だ。

  ライングループの金融事業を統括するLINEフィナンシャルの斉藤哲彦社長は11日のインタビューで、ラインユーザーを金融取引に誘導するには「利便性、お得感、安心感」が重要だと指摘。操作が簡単で割安なサービスを独自に提案する一方、信用力は大手金融機関との資本・業務提携で補完する考えを示した。

Tetsuhiko Saito, chief executive officer and representative director of Line Financial Corp.

LINEフィナンシャル 斉藤哲彦社長

Souce: Line Corp.

  ユーザー数が伸び悩む中で主な収益を広告事業に依存しているラインは、金融・決済サービスなどを戦略事業と位置付け強化している。みずほ銀と野村ホールディングスとはそれぞれ合弁で準備会社を設立済みで、当局の許認可を前提に、証券業務は2019年中、銀行業務を20年秋めどに始めることを目指している。

  みずほ銀で銀行業務に三十数年間携わった後、昨年12月にLINEフィナンシャルの社長に就任した斉藤氏は「銀行や証券会社と同じサービスを提供する意味はない」と強調。「コミュニケーションサービスとつながっているからこそ面白い」と言われる金融取引や資産運用など、具体的な業務内容を検討していると述べた。

  日本銀行によると、2018年3月末の国内家計の金融資産は1829兆円と過去最高水準にある。内訳は現預金が5割以上を占め、株式や投資信託、債券は約16%にとどまる。米国ではこれが約54%に上る。ラインは現預金として滞留する資金を刺激して金融取引に結び付けたい考えだ。

  斉藤氏はスマホの普及により金融は「B(企業) to C(一般消費者)からC to Bのビジネスに変わった」と指摘。金融機関が一方的に商品を販売する時代は終わり、顧客が銀行を選ぶ時代になったとし、「ラインの顧客ベースを使って金融の民主化をやりたい」と述べ、顧客の視点に立ったサービス提供に意欲を見せた。

  一方、大手金融機関にとってもラインの幅広いユーザーと接点を持つことで、ライバル会社の顧客も含め、新規開拓を期待できるメリットがあるとみている。ラインは既に損保ジャパン日本興亜と業務提携し、100円から購入できる損害保険を販売。初心者向けの投資ツールや家計簿も提供している。

  米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、大半の提携先が大手という例は過去にほとんどなかったと指摘。「ラインのユーザーベースのメリットを見いだし、いろいろな会社が群がっている」との印象を述べた。ラインにとって金融事業は広告とともに収益の大きな柱になっていくだろうとみている。

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