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EU離脱の国民投票から2年半、危険な岐路に立つ英国-合意案否決で

  • 労働党提出の不信任案乗り切っても政権がどれだけ生き延びられるか
  • どのような選択肢模索にも離脱時期の先送りが必要になりそう

英議会は15日、欧州連合(EU)離脱についてメイ首相がEU側と合意した案を大差で否決した。2016年の国民投票での離脱選択から2年半、英国は過去数十年で最も危険な岐路に立った。

  首相が取りまとめた離脱合意が承認される望みはほぼついえ、野党・労働党のコービン党首は総選挙に持ち込むことを狙っている。同党が提出した不信任案の16日の採決は乗り切ることができるとメイ首相は考えているものの、首相とそのEU離脱戦略があとどれだけ生き延びられるかは不透明だ。

Britain Brexit

メイ首相(1月15日)

写真家:Frank Augstein / AP Photo

  英国がEUを離脱する期限は3月29日。英国と他のEU加盟各国の政治家の間では、経済の大混乱を招きかねない合意なき離脱を回避する上で、メイ首相は状況打開に間に合わないのではないかとの懸念が強まっている。2回目の国民投票を含めどのような選択肢を模索するにも、離脱時期の先送りが必要になりそうだ。

  ハモンド財務相は15日遅くに行った財界首脳との電話会議で、離脱時期先送りの考えを示唆したとされる。

  15日の採決後の議会のムードは意外にも明るかった。昨年12月の離脱案の採決延期を経て、今回ようやく投票することができた多くの議員らは、メイ首相が自身の案に可決の可能性があるかのように装うのをやめ、より現実的な選択肢を議論することになるのではないかと話す。

  メイ首相は少なくとも今のところ、既定の原則を変えない姿勢を堅持している。同時に、離脱時期の先送りの計画検討を公には表明していないが、合意なき離脱は許さない意向を強く示唆している。ラッド雇用・年金相も15日午前の閣議で、合意なき離脱のアイデアを首相が公に否定するよう主張した。一方で、保守党議員の一部は合意なき離脱を支持し、その方向に進むよう首相に働き掛けている。

  保守党内にはEUとの関税同盟を支持するグループもあり、これは労働党と同じ立場のため議会で過半数は得やすいかもしれないが、与党内で首相への反感がさらに強まりかねない。

  現時点で労働党の優先事項は総選挙に持ち込むことだ。しかしこれは成功しない見通しで、その場合、党内では2回目の国民投票を目指すようコービン党首に迫る議員は数多いとみられる。

U.K. Theresa May Fights For Her Brexit Deal

ハモンド財務相

写真家:Luke MacGregor / Bloomberg

原題:Brexit Pushes Britain to Brink as Government Fights for Survival(抜粋)

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