コンテンツにスキップする

米金融当局のバランスシート縮小の影響、ウォール街でも意見分かれる

  • 株価との相関は強くないとバークレイズのアベート氏は指摘
  • モルガン・スタンレーは市場の力学に大きな影響あると分析

米金融当局が進めるバランスシート縮小について、株価動向との関連性の有無やその強弱が議論の的となっている。ただ、ウォール街の金融機関の間でも見解は一様でない。

  バークレイズのストラテジスト、ジョゼフ・アベート氏は双方の相関は強くないと指摘。一方、モルガン・スタンレーのストラテジストらは、金融当局のバランスシート縮小が市場の力学に大きな影響を及ぼしているとし、当局が現行ペースで住宅ローン担保証券の保有を減らせば、S&P500種株価指数は今年3.3%低下するとした数量モデルを開発した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が10日、バランスシートは「今よりもかなり小さくなるだろう」と述べたのを受けて株価は下落し、影響はあらためて浮き彫りとなった。昨年12月19日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でも、変更は想定していないとの議長発言が縮小プログラムの進め方を巡って柔軟性を欠くものと受け止められ、株価急落を招いていた。

  ウォール街各社の見解は次の通り。

  • バークレイズ(アベート氏)
    • 当局のバランスシート縮小と株安とのリンクは「弱い」
    • 正常化とそれに伴う銀行準備の減少が株価下落につながっているとの論拠はあまり強くない。準備の絶対的な水準よりもそのフローの方が株価にはもっと重要である可能性
  • シティグループ(ジャバズ・マタイ、スティーブ・カン両氏)
    • 「資産市場は経済のファンダメンタルズによっても、バランスシート上の資産・負債の変化によっても、同じように左右されるというのがわれわれの結論だ」
  • モルガン・スタンレー(マシュー・ホーンバック、サム・エルプリンス両氏ら)
    • バランスシートは市場の力学に重要な役割を果たしている
    • その影響は2018年終盤の市場ボラティリティーの高まりの際に顕著で、金利正常化によって恐らく悪化
    • 今後半年間にかけて正常化に早めに終止符が打たれたとしても、投資家にはそれほどサプライズとならないだろう
  • RBC(マイケル・クロハティー氏)
    • 金融当局のバランスシート縮小とリスク資産の下落との間に実質的なリンクは存在しない。株式や信用スプレッドに対して現在想定されているような量的引き締めのインパクトは「かなり誇張されている」
    • バランスシートのさらなる縮小はリスク資産の一段の軟化を示唆せず
    • これら2つのことを結びつける最近の市場の傾向を背景に、当局は金融政策へのアプローチを明確にするとともに、「バランスシートの最終的な規模について何らかの目安を示すよう」、一層の圧力にさらされることになりそうだ

原題:Wall Street Is Divided on Impact of Fed’s Balance-Sheet Runoff(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE