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金融庁:金融機関のCLOなど証券化商品保有で規制強化ー3月末

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  • 金融機関にとって当初債権者の5%以上保有が事実上の要件に
  • 金融庁「直ちに過大な影響を与えるものではないと考える」

金融庁は、ローン担保証券(CLO)などの証券化商品を金融機関が保有する際のルールを厳格化する。今後の購入は、担保資産の当初の債権者が証券化後も商品の5%以上を保有するなどの条件を満たした商品に事実上限られる。国際的合意に基づくルール改正で、現在実施中の意見募集を経て3月末から適用する。

  同庁がウェブサイト上で公表した資料によると、規制強化の対象となるのは、国内の銀行・銀行グループ、農林中金などの系統金融機関と農協などの下部組織、信用金庫・信用組合と野村ホールディングス、大和証券グループ本社。

  金融機関が証券化商品を購入する場合に当初債権者が5%以上を保有するなど所定の条件を満たしていると確認できなければ、規制当局がリスク度合いを示すために保有資産ごとに設定する「リスクウエート」を通常の3倍に引き上げる内容。この値が高い資産は自己資本比率の圧迫要因となるため、購入が難しくなる。

  経過措置として、3月末までに購入済みの商品は対象とならない。また、条件を満たしていなくても、当初債権者の商品への関与の状況や原資産の質などから、不適切な組成ではないと判断されれば適用されない。ブルームバーグの取材に対し、金融庁の担当者は、これらの対応により規制見直しが「直ちに特定の業界・商品に過大な影響を与えるものではないと考えている」と電子メールで回答。特定の種類や国・地域の商品を無条件に例外扱いすることは想定していないとした。

  米CLOの発行残高は昨年、史上最高を記録するなど人気を集めた。昨年4月に、米裁判所が企業向け融資などで原資産自体が市場で取引されているCLOであれば、米国内の規制に抵触しないとの判断を示した後、発行額が積み上がった。同市場での日本の金融機関の存在感は大きく、UBSグループは最上位のAAA格付けの米CLO市場に過去数年流入した資金の3分の1を日本の銀行が占めたと試算している。

  証券化商品をめぐっては、過去に米サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題によって高格付けだった債務担保証券(CDO)が次々に毀損(きそん)。2008年3月期決算でみずほフィナンシャルグループが約6450億円のサブプライム住宅ローン関連の損失を計上するなど、運用商品として購入していた日本の金融機関も大きな影響を受けた。CLOはCDOの一種。

  アンダーソン・毛利・友常法律事務所と米ミルバンク・ツィードは14日付の顧客向け文書で、日本の機関投資家は米国・欧州のCLO市場で主要プレーヤーの一角を占めており、「いかなる規制の強化も、日本からのCLO投資に対し甚大な影響をもたらす可能性がある」と指摘。農林中金の開示資料によると、昨年9月末時点でのCDO保有残高は5兆7378億円と3月末(3兆8134億円)から急増している。

  ドイツ証券の村木正雄アナリストは、金融機関のCLO投資について「2008年当時の住宅ローン証券とは異なり、AAA格のCLOは日本のクレジット投資の中ではむしろデフォルトリスクが小さい部類に入る」とコメントした。

(第4、5段落に金融庁のコメントなどを追加して更新しました.)
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