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米リセッションを織り込む金融市場、広範囲な逆イールドに現実味

  • 市場は既に多くの下振れリスクを織り込んでいる-JPモルガン
  • BofAのリセッション指標上昇、今後1年間での確率64%

多くの金融市場は既に、米国がリセッション(景気後退)に向かって突き進む可能性が5割以上あることを示唆しているが、こうしたシグナルは的中するのか、あるいは杞憂(きゆう)に終わるのだろうか。

  米国債市場の広範囲な長短金利逆転は過去半世紀余りにわたり米景気後退の前触れとなってきたが、こうした逆イールドの見通しが実味を帯びつつある。利回り低下が株・商品相場や投資適格級およびジャンク級の社債の下落と重なると、約50%の確率で景気後退が1年以内に発生するシグナルだとJPモルガン・チェースは指摘する。

  同行のグローバル・マーケット・ストラテジスト、ニコラオス・パニギリツオグル氏は「市場は既に多くの下振れリスクを織り込んでいる」と語った。

  投資家が今後どう反応するかは、依然として大きな問題だ。

Near inversion in yield curve flashes recession risk

  株式やクレジット商品などリスク資産は2018年の終盤に打撃を受けた一方、生産鈍化の兆しの中にあっても、米連邦準備制度が利上げを推進して流動性の引き締まりをもたらす意向と見受けられたのを背景に米国債利回りは上昇した。その後、昨年12月の雇用統計が好調だったことや米金融当局の引き締め停止シグナルがこうした動きを多少逆転させたものの、苦境に陥る危険性は依然として忍び寄っている。

  ソシエテ・ジェネラルのフロー戦略・ソリューション担当グローバル責任者、コク・アグボブルア氏は「中央銀行からの流動性は大幅に引き締められた。中国は景気減速局面にあり、トランプ政権は以前ほど財政刺激策に積極的にはならないだろう」と指摘。同社は20年の景気下降を予想しており、「過去5年間のリスク資産の強気相場をけん引した推進力はほぼなくなった」と同氏は述べた。

Fed's balance sheet unwind a negative for risk assets

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)のリセッション指標はここ数週間に目に見えて上昇している。同行アナリストらは経済指標に表れていないと述べているが、S&P500種株価指数や米国債利回りの3カ月物と10年物のスプレッドの動きを反映した1つの指標は、向こう1年間のリセッション確率を64%と示している。ゴールドマン・サックス・グループの市場ベースモデルでは、リセッションは50%の確率で、同社エコノミストが向こう1年間に予測する景気縮小の確率(15%)を大きく上回っている。

  幾つかの尺度では、株式相場は昨年12月の急落時に経済状況と最も距離があったが、クリスマスイブの急落以降、株式相場は10%の回復を遂げ、底打ちとの見方も一部浮上している。JPモルガンのパニギリツオグル氏は、最終的に発生するのは軽度のリセッションにすぎない公算が大きいと述べ、リスク資産が既に織り込んでいる景気縮小の度合いについては、株式や高格付けクレジット、商品相場にとって「強気なメッセージ」と受け止めていると語った。

The S&P 500 has retraced about half its near bear market losses

原題:Markets Take the Lead When It Comes to Factoring in Recession(抜粋)

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