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日立、英原発事業中断で最大3000億円規模の損失計上見通し-報道

更新日時
  • 来週開催の取締役会で計画の中断を決定する予定との報道
  • 株価は上昇、一時前日比8.9%高と2年2カ月ぶりの日中上昇率

日立製作所が英国で計画中の原子力発電所の建設事業を中断する方針を固め、今期(2019年3月期)に2000億-3000億円の損失を計上する見通しだと日経新聞が11日に電子版で報じた。来週開く取締役会で計画の中断を決定する予定だと伝えている。約3兆円に膨らんだ事業費を巡って日英政府や企業との交渉が難航し、現時点での事業継続は難しいと判断したという。

  日立の広報担当の谷内由布子氏は、ブルームバーグニュースの取材に対し、民間事業者として引き続き経済合理性を重視し、事業を精査した上で最終的には年内に投資の可否を判断する予定に変更はないと話した。

  同社の中西宏明会長は昨年末の懇親会で一部記者団に対し、英国原発事業の継続についての決断は19年1月までと期限を設け英国政府と交渉していることを明らかにした。その上で、交渉の先行きは難しいものの実現に向け最善を尽くすと述べていた。

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日立製作所のロゴ

Photographer: Yoshikazu Tsuno/AFP/Getty Images

  日立の西山光秋最高財務責任者(CFO)は昨年7月末の18年第1四半期(4-6月期)決算会見で、仮に現時点でプロジェクトを中止した場合は6月時点で最大2700億円の損失が発生すると表明していた。広報担当の谷内氏は、ブルームバーグに対し、原発の資産額は9月末時点で2960億円に増えていることを認めた。また、取締役会の日程については非公開とした。

  日立製作所は昨年12月に、スイスの産業機械メーカーのABBから送配電事業を買収すと発表した。総額約7140億円を投じ、同社としては過去最大の買収となる。日立はこの買収で送配電事業規模が世界首位となり、今後も世界展開を拡大する方針で電力事業では送配電事業を収益の柱に育てる方針だ。

  報道を受けて同社の株価は上昇。一時前日比8.9%高と16 年11月以来約2年2カ月ぶりの日中上昇率となった。

  バリューサーチ投資顧問の松野実社長は、株価上昇について「日立の選択と集中の決断を市場は評価するという意思表示」とコメント。「観測記事ではあるが、東芝の失敗から原発はリスクとみて日立を買い控えていた投資家の期待を反映したもの」との見方を示した。

(日立と市場関係者のコメントなど詳細を追加しました.)
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