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【コラム】コマツなど外国勢、中国事業で楽観は禁物-トリベディ

中国で建設プロジェクトがあれば、彼らの出番が来るのだろうか。コマツ日立建機などの株価が7日の日本市場で大きく上昇した。中国のエンジニアリング・建設会社の株価もこのところ数カ月ぶりの安値から持ち直している。

Hold Your Horses

China's construction-machinery companies have taken an upbeat turn over the last few months as new infrastructure projects are announced

Source: Bloomberg

  中国の経済データが、こうした株高の理由にあまりならないのは確かだ。米中の貿易戦争という状況下で製造業活動は鈍化し、昨年11月の中国工業利益はほぼ3年ぶりの前年割れとなった。

  楽観的な見方は、財政出動を伴う直近の大規模な刺激策から生じた。中国では最近になって事業費1200億ドル(約13兆円)強の鉄道プロジェクトが発表された。2019年に鉄道路線が6800キロ延長される。建設認可が事実上停止していた昨年とは様変わりだ。

  問題は借金頼みという古いやり方に中国が戻っている点だ。鉄道プロジェクト認可は地方の特別債発行急増を伴っており、調達資金で賄うプロジェクトからの収入を償還に充てる仕組みだ。

  CLSAによれば、インフラ投資のための特別債発行は18年に前年比145%増加。国務院が昨年7月に1兆3500億元(約21兆4300億円)という同種の債券の発行枠を発表し、8月と9月に起債が急増した。

Digging Away

Sales growth of large excavators has slowed sharply this year

Source: Nomura

  機械メーカーや建設会社にとっては恵みであることは確かだが、全ての会社が将来を賭けることができるわけではない。プロジェクトが承認されても、中小企業向けのファイナンスは厳しいだろう。より現実的には、こうした事業は中国政府が後押しする大手の鉄道・建設会社には追い風だが、弱い借り手は無視される。本当に恩恵を受けるのは恐らく、これらのプロジェクトに直接関わる中国の大手エンジニアリング企業や調達会社だろう。

  過去に景気の足元がよろめいた時と同様、中国政府はすでに弱っている民間企業を犠牲にし、インフラ関連の大手国有企業に頼ることだろう。コマツや日立建機など外国勢は、以前より大きな利益をひねり出すには苦労することになりかねない。

  掘削機全体の売り上げは目立たないペースだが伸び続けている。好調なのは三一重工など中国勢だ。昨年11月、中国ブランドの販売が前年同月比で40%余り増えたのに対し、外国勢は10%減った。新年早々に広がった楽観ムードは、中国政府のお気に入り企業のためだけのものかもしれない。
(アンジャニ・トリベディ)

  (トリベディ氏はアジアの工業セクターの企業を担当するブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Don’t Be Fooled by China’s Old Debt Playbook: Anjani Trivedi(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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