台湾当局、BASF社員ら6人を逮捕-中国企業に技術漏えい

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  • 中国の江化微は容疑者側に約6億3400万円提供と台湾刑事警察局
  • 米台は中国企業が知的財産を盗んでいると長く主張している

台湾当局はドイツの化学品メーカー、BASFの技術を中国の江陰江化微電子材料(江化微)と共有し賄賂を受け取ったとしてBASF社員ら6人を逮捕した。米国などは知的財産を盗んでいるとして中国を強く批判している。

  江化微は中国江蘇省での新工場建設で支援を受けるため4000万元(約6億3500万円)を容疑者側に提供したと台湾刑事警察局の呂松浩氏が7日の記者会見で述べた。容疑者側がサモアに持つ2口座に4000万台湾ドル(約1億4100万円)を江化微がすでに送金したことも明らかにした。

  米国と台湾の当局はテクノロジー分野でのリードを狙う中国企業が知財を盗んでいると長期にわたって主張しているが、中国政府は一貫して否定。米中貿易戦争の悪化を避けるため両国が話し合いを始める中で、米国が指摘する中国への技術の強制移転を含めたこうしたテクノロジーの漏えいは米政府が重視する問題となっている。

  今回の贈収賄額は異例の規模。台湾当局はこれまで人材引き抜きを通じた企業秘密の窃盗などで中国企業を摘発してきたが、呂氏によれば、江化微は専有技術を得る見返りに直接的な支払いを申し出た。江化微に電話したほか、電子メールも送付したが応答はない。

  台湾警察によれば、逮捕された6人のうちBASFの現職エンジニアは1人だけだが、他の5人もかつて同社で勤務していた。呂氏はこの技術漏えいに伴うBASFの損失は最大で年1億ユーロ(約124億円)に達する可能性があると語った。BASFの担当者は損失額を同社が確認することはできず、損失の推計は示さないと説明した。

  BASFは逮捕された現職社員を停職処分とし、捜査に協力し知財を保護する措置を講じたと発表。「リスクを最小限にするシステムとポリシーを構築してきた」とした上で、「今回の状況を踏まえ、情報保護システムを一段と強化する」と資料でコメントした。

原題:Taiwan Arrests Six Accused of Leaking BASF Tech to China (1)(抜粋)

(BASFのコメントなど2段落を追加し更新します.)
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