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【コラム】米国株は底を打ったのか、3要素はなお流動的-エラリアン

4日はリスク資産が恐ろしく急騰した。米国の主要株式指数は軒並み3-4%上げ、「リスクがない」とされる米10年債利回りは11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)と金融当局の流動性、テクニカル要因の3つがそろった時の力をまざまざと見せつけた。

  だが、数カ月にわたって下落が続いた相場が底を打ったのか、この問いははるかに複雑で不確実だ。相場を支配する3つの要素が依然として流動的だからだ。

ファンダメンタルズ

  個人消費の健全性を確認するという意味で力強い雇用統計は重要だが、景気一致指標、それに遅れて反応する遅行指標という性格が大きく、3日発表のISM製造業景況指数に表れた景気に先立って動く先行指標の不安さをかき消すものではない。中国と欧州の景気減速による波及リスク、最近の市場のボラティリティーの影響、成長を促進する政策の見通しや貿易対立の解決可能性などについての情報もファンダメンタルズにはあまり含まれない。

流動性

  米金融当局は市場にやさしいコメントを繰り出すようになっているが、当局にとって厳しさを増す現実は変わらない。当局が直面する政策的な課題はほぼ管轄外にあり、その課題のために当局はボラティリティーを効果的に抑える存在から、ボラティリティーを黙認する存在へと変わった。さらに、欧州中央銀行(ECB)が向き合う困難は、域内の経済・金融・政治を巡る状況が一段と厳しいため、もっと困難だ。

テクニカル

  相場のテクニカルが上昇を支持する方向に動き、時間を稼ぐことができるかもしれないが、それは確実というには程遠い。ファンダメンタルズと流動性がより長期的に好ましい方向へとそろって動かない限り、テクニカル要因は不安定かつほぼ予測不可能であり続ける公算が大きく、上昇局面を投資家が買いではなく売りに利用する可能性を生んでいる。

  4日の経済的・政策的な展開と相場の広範な大幅上昇を投資家が喜んだのは当然だ。だが、この好材料が下落トレンドの価格ボラティリティーに決定的な終止符を打ったと示唆しているのかは、全く明らかでない。引き続き用心するに越したことはない。

(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Has the Stock Market Established a Bottom?: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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