【コラム】危ういドル債務依存、中国と世界にリスク

  • 17年初め以降、中国の対外債務は四半期ごとに平均700億ドルずつ増
  • いずれ中国は外貨準備取り崩しか元安容認という選択を迫られる恐れ

中国の対外債務が急速に膨らみ、中国のみならず潜在的には世界にとって大きな問題になりつつある。

  公式的には中国の対外債務は1兆9000億ドル(約205兆円)。経済規模13兆ドルの中国にとっては大きな額ではないが、この数字だけ見ていると、内在するリスクを著しく過小評価することになる。

  昨年9月時点の対外債務全体に占める短期債務の割合は62%だと公式統計は示す。つまり今年1兆2000億ドルの借り換えが必要となることを意味している。懸念すべきは債務の増加スピードだ。対外債務総額は過去1年で14%増え、2017年初めからは35%増加した。

Crunch Time?

China's foreign debt balance has surged in the past decade

Source: Bloomberg/State Administration of Foreign Exchange

  対外債務はもはや、18年11月末に3兆ドルを若干超える程度だった外貨準備との比較で取るに足らない規模ではない。短期外債は9月末時点の準備高の39%相当と、16年3月の26%から急増した。

  実際はもっと危ういのかもしれない。大和証券キャピタル・マーケッツは18年8月のリポートで、中国の対外債務は3兆-3兆5000億ドルだと推計。つまり、公式統計に含まれない香港やニューヨーク、カリブ海諸島といった金融センターでの借り入れを考慮すれば、対外債務総額は最大1兆5000億ドル過少に見積もられている可能性もある。

  中国企業は米中金利差と人民元値上がり見通しからドルでの借り入れを急いだが、短期利回りのスプレッドは縮小、元は昨年の大半で下落した。習近平国家主席肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」を推進するためのドルでの借り入れなど、政策が対外債務の増加を加速させた。返済は今年と来年、ピークを迎える。

Going Nowhere

China's foreign-exchange reserves have stagnated for the past couple of years

Bloomberg

  中国の対外債務水準は低く、外貨準備高は巨額であり、金融リスクは封じ込められていると強気派はずっと主張してきたが、状況は変わってきている。17年初め以降、中国の対外債務は四半期ごとに平均700億ドルずつ増えている。こうした増加ペースが続けば、中国は外貨準備取り崩しか元安容認という受け入れ難い選択肢に向かわざるを得なくなり、いずれにせよリスクはさらに高まる。

  中国、そして世界は、こうした中国によるドル建て債務依存の拡大についてしっかりと考える必要がある。資金調達のいかなる停止も深刻かつ予期せぬ結果を招く恐れがある。
(クリストファー・ボールディング)

  (ボールディング氏は深圳にある北京大学HSBCビジネススクール=PHBS=の元准教授です。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:China Has a Dangerous Dollar Debt Addiction: Christopher Balding(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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