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市場がパウエル議長の姿勢転換促す、「若干の変動」から急落に増幅で

  • パウエルFRB議長の若干タカ派色薄めた発言で株価反発
  • 12月19日のFOMC後にボラティリティー急拡大、株価急落

米金融市場の混乱は3週間前の時点では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「若干のボラティリティー」と表せる程度にとどまっていた。しかし、その後12月の最後の10日間がやってきた。

  この10日間がパウエル議長の注意を引いたことは明らかだ。4日には議長の発言と、過去10カ月で最も好調だった米雇用統計が相まって米株式市場は回復基調となった。S&P500種株価指数は前日比3.4%高となり、前日の下げを打ち消した。

  ディレクシオンのマネジングディレクター、ポール・ブリガンディ氏は、「市場の動きが主な要因になったことは確かだ」とした上で、「これは、パウエル議長が自身のコメントに市場がどのように反応するか耳を傾けていることを示す。議長の最後のコメントにはタカ派的傾向がみられた。過去と比べて市場に耳を傾けていないように感じられた」と説明した。

  米株強気派は「若干のボラティリティー」との発言を歓迎したが、投資家は米経済と、金融当局の刺激策の道筋を巡り異なる見解に翻弄され、市場は激しい変動に見舞われた。S&P500種は日中に2%を超えて変動した日がこの21日間中15日と、2011年以来の多さを記録した。

  パウエル議長は4日、アトランタで開かれた米国経済学会(AEA)の年次会合でのイエレン前議長、バーナンキ元議長とのパネル討論会で、金融政策は柔軟であり、当局者は金融市場に「注意深く耳を傾けている」と発言。また、米経済の流動性枯渇を家ねしているトレーダーを念頭に、パウエル議長はFRBの緩やかなバランスシート縮小の変更を検討することに前向きな姿勢を示唆した。

  ワラックベス・キャピタルのシニアストラテジスト、イリヤ・フェイギン氏は、「パウエル、イエレン、バーナンキの3氏の討論会には、金融当局が混乱しておらず、12月よりもさらなる下落傾向にある市場を守るために行動すると、市場を安心させるという目的があった」とした上で、「FRBは経済指標により強い自信が持てるまで当面の間金利を据え置く可能性が高い」と指摘した。

原題:Markets Force Powell Tune Change After Volatility Turned to Rout(抜粋)

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