Photographer: Tomohiro Ohsumi

年明け魔の時間のフラッシュクラッシュ-アルゴで円高トレンド増幅か

  • ドル円の変動幅は2016年の米大統領選以降で最も大きくなった
  • 貿易戦争でも持ちこたえてきた72円の節目を豪ドルも一時割り込んだ
Photographer: Tomohiro Ohsumi

1日当たり5兆1000億ドル(約550兆円)の資金が動く外国為替市場で3日発生した「フラッシュクラッシュ」は、一体何が引き金となって起きたのか。トレーダーやストラテジストらは引き続き原因を解明しようとしている。

  円の対ドル相場は、アジア時間帯3日の早い段階の取引で数分の間に4%近く急騰し、変動幅は2016年の米大統領選以降で最も大きくなった。円は豪ドルに対しても急上昇し、豪ドルは貿易戦争や株急落、米国の利上げなどを通じて持ちこたえてきた1豪ドル=72円の節目を一時割り込んだ。

  バンガード・グループの外為取引グローバル責任者アンドルー・マック氏によれば、激しい変動は、2日のニューヨークのクローズと3日の東京オープンに挟まれた魔の時間に起きた。日本市場の正月休みで動きが増幅された可能性は高いものの、フラッシュクラッシュはその時間枠で以前より日常的に起きるようになりつつある。同氏はそれをアルゴリズム取引プログラムが支配する流動性の「ブラックホール」と呼ぶ。

  マック氏は「市場に関わる生身のトレーダーが多くない時間帯だ。適切な制約と統制を欠くアルゴリズムの状況下で流動性を調達しようとすれば、市場が非常に素早く動く状況に直面しかねない」と指摘する。

  ラボバンクの通貨戦略責任者ジェーン・フォーリー氏は「円はドルを超えるよりオーソドックスな安全資産としての地位を固めつつある。アップル(の売上高予想引き下げ)のニュースが中国の成長鈍化を巡る不安を高めて引き金となったのは確かだが、われわれは過去数週間のトレンドの拡張バージョンを目にしたにすぎない」と分析した。

  マック氏も「円高の動きは円をロングにしたい需要が現実にある可能性が高い。その背後には実需のフローが存在する」と述べ、フォーリー氏の見解に同意している。

原題:Dissecting the FX Flash Crash: Robots, Apple, Yen Shorts Blamed(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE