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S&P500種の予想的中させたストラテジスト、金融政策の影響に着目

  • ドイツ銀のコチッチ氏は、S&P500種の2400割れを正しく予測
  • 18年末水準の当初予想の平均は2855だった-ブルームバーグ調査
A pedestrian walks past the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, Dec. 15, 2015. E

A pedestrian walks past the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, Dec. 15, 2015. E

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

A pedestrian walks past the Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, Dec. 15, 2015. E

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

2018年の市場の不安定を正しく予測したセルサイドのアナリストが1人いる。ただ、優れた予測の手腕を発揮したその人物は、特に「魔法使い」の異名を持つわけではない。

  それはドイツ銀行のストラテジスト、アレクサンダー・ コチッチ氏だ。米金融当局による政策正常化を背景にS&P500種株価指数は2300-2400まで下げる可能性があると、同氏は18年初めに予想した。同指数は終値ベースで12月24日に約2351に沈んだ後、31日には2506近辺に持ち直した。

  激しい相場変動が際立った18年、コチッチ氏の予測は他の多くとは対照的だった。ブルームバーグの集計によると、17年の年末時点で、18年末のS&P500種の予想中央値は2855だった。小説に登場する魔法使いにちなむ「ガンダルフ」というあだ名を付けられたJPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏でさえも、18年はボラティリティーは小幅上昇にとどまるとの予想だった。

  経済成長や通商面の緊張、政治の行き詰まりなどを巡る懸念が株価の乱高下を招き、他の多くのプロの予想を裏切った中で、コチッチ氏はどのように正しく言い当てられたのか。その答えは、米金融当局が市場に与える影響についての比較的単純な理論と、リスクテークを支えてきた金融当局の「プット」の設定が見直されるとの考えにあった。

Repricing the Fed Put

米金融当局が政策を正常化させるにつれ、株価と短期金利の相関は変化

  ブルームバーグが閲覧した12月27日付の顧客向け電子メールでコチッチ氏は、「政治はこれほどまでの混乱を見せたが、市場は単に古くなって信頼性を欠いたシグナルを読み違え、経済について誤った結論を下し、その情報に基づいてリスクを切り詰めてきたというのが当社の見方だ」と指摘。「株式相場はFedプットとの絡みで大きな変動を続けているが、(2月に提示し10月に据え置いた)2300近辺という予想に問題はないと見受けられる」と記した。

  米金融当局は、金融危機後に長年続けた量的緩和で市場からシステミックリスクを事実上すくい上げたとコチッチ氏は指摘。当局がリスクへの後ろ盾となって、投資家による金融資産購入を促す中で、株価と短期金利の間のベータ(相関)をいや応なく高めたと説明した。

  その後、米金融当局が異例の緩和策を引き揚げ、バランスシートを縮小するにつれて、株価と金利との間のベータは正常化し始めた。コチッチ氏の計算に基づくと、利上げサイクルにおける両者間の「正常な」ベータは10に近く、S&P500種の水準に当てはめると2300-2400となるとされる。18年の早い段階のベータの数値は30だった。

  コチッチ氏はコメントに応じられないとドイツ銀行の広報担当者は述べた。

原題:Market Strategist Who Nailed S&P 500 This Year Has a Fed Theory(抜粋)

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