コンテンツにスキップする

日銀、長期金利一時的なマイナスも許容すべきだとの声

更新日時
  • 国債買い入れオペの運営には相応の見直し余地がある-1委員
  • 原油価格下落の物価への影響は今後の懸念材料-1委員
Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Speaks At News Conference Following Rate Decision
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Speaks At News Conference Following Rate Decision
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行が28日公表した今月19、20日開催の金融政策決定会合の主な意見によると、長期金利が一時的にマイナスになることも許容すべきだとの意見が出ていたことが分かった。経済の下振れリスクへの言及や、原油価格下落などの影響で物価の先行き不透明感を指摘する声も多かった。

  一人の委員は、7月の枠組み強化に沿って「長期金利が一時的にマイナスになることも許容すべきである」と指摘。長期金利は0%程度を 中心に上下におおむね「対称的に変動するのが自然」であり、長期国債保有残高の年間増加額約80兆円のめどの下で、「柔軟に買い入れ額を増減させることが望ましい」との見方を示した。

  一方で、日銀の大量の国債保有による金利押し下げ効果や、新発国債市場の流動性の低さを踏まえると、「現状の国債買い入れオペの運営には相応の見直し余地がある」との意見があった。社債市場で「足元の低金利により募残の比率が高まっているとの報道がある」とした上で、「長めの金利がより高い方が投資家の需要は増す可能性があり、金利変動幅や金利操作目標年限等を柔軟に検討していくことが将来の選択肢」との指摘も出た。

  日銀は20日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を決めた。長期金利の誘導目標は「0%程度」としてある程度の変動を認めるとし、短期金利の「マイナス0.1%」と共に据え置いた。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とのフォワードガイダンス(政策金利の指針)も維持した。

  主な意見によると、世界経済の先行きについて、「不透明感が高まりつつあり、かつそうした状況が長期化するとの見方が広がる中、リスクは総じて下方に厚くなってきている」「経済に対するリスクは下方に強まっている。中国の直近の貿易データをみると輸出入とも前月比でマイナスとなっており、中国経済の減退を示している可能性がある」などと懸念を示す声が出た。

  物価の先行きについては、「原油価格下落の物価への影響は今後の懸念材料」「今後、需給ギャップが一本調子で拡大する可能性は低く、原油価格の下落も物価目標達成をさらに遅らせる形で作用する」といった意見があった。

  岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミストは電話取材で、決定会合で景気の下振れリスクや物価の先行き懸念が多く出たことについて、株価が世界的に大きく調整していることの影響が出ており、日銀政策委員は「全体に弱気になっている」と指摘。今後、政策委員会で追加緩和についての議論が増えていくとみるが、「選択肢は非常に少なく、日銀は厳しい状況に置かれている」との見方を示した。

(最終段落にコメントを追加して更新しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE