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2019年の東南アジア、成長は力強さ欠く展開に-選挙など波乱要因も

  • インフレ率が上昇し、成長は緩やかになるとエコノミストらは予想
  • 中銀は来年さらに引き締め方向に-米金融当局に追随で

昨年、エコノミストらは2018年の東南アジアが力強く活気のある年になると予測した。来年に関してはそれほど楽観的ではない。

  今後控えているのは経済成長の鈍化や金利上昇だ。米金融当局は2019年にさらに厄介な金利の道筋を歩む中で全ての人を神経質にさせる見込みだ。米中間の貿易戦争も既に東南アジアの輸出に打撃を与えている。フィリピンはインフレが落ち着くとの予測が当たれば、何とか小幅な成長加速を実現できるかもしれない。

Down a Notch

Much of Southeast Asia likely to see growth moderation in 2019

Sources: Government statistics agencies, Bloomberg

Notes: Charts real GDP, year-on-year growth. 2018, 2019 data are Bloomberg survey medians as of 21 Dec 2018

  ブルームバーグ・エコノミクスのタマラ・ヘンダーソン氏は「東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長とインフレ見通しは19年に軟化する見込みだ。それでも、少なくとも米金融当局の利上げ休止が視野に入るか、または中国の刺激策が奏功し始めるまでは同地域の中銀は投資を呼び込むために引き締め方向のバイアスを維持せざるを得ないかもしれない」と指摘した。

  その上にタイとインドネシア、フィリピンで実施される選挙もさらなる波乱要因となる可能性がある。19年の域内経済の主要テーマは以下のようなものがある。

世界的に軟調に

  今年は前年を上回ることができなかったように、19年の世界成長もさらに鈍化するというのが大半のエコノミストの見方だ。フィリピンやベトナムは引き続き他国を上回る成長を実現する見込みだが、成長鈍化が東南アジア全体に影響を及ぼす見込みだ。

  中国の需要は関税や構造改革で相当な痛手を受けているが、特に東南アジアは中国との結び付きが強いこともあり、悪影響を受ける見通しだ。

貿易鈍化

  貿易面でのドミノ効果も引き続き高リスクだ。7-9月(第3四半期)に実施された追加関税の影響が後から出てくることに加え、今月、米中間で実現したぜい弱な休戦の見通しも不透明だ。

選挙を巡る不透明感

  軍政が4年余り続いているタイでは来年2月24日に総選挙が行われる。社会不安が生じ、観光や投資家心理に響くのではないかとアナリストらは心配している。4月にはインドネシアで大統領選、5月にはフィリピンで中間選挙が予定されている。

米金融当局に追随

  中銀は米政策金利への対応に苦慮し、自国通貨の保護や経常収支管理に向けて米金融当局の動きに応じて行動するだろう。

インフレ率

  ブルームバーグ調査によると、エコノミストは東南アジアの多くの国で来年のインフレ率は緩やかな上昇を示すとみている。ただフィリピンはそうはならない見通しだ。フィリピン中銀は原油価格の落ち着いた状態が続き、コメの輸入規制緩和に関する法制化による恩恵があるとみてインフレ見通しを下方修正した。

2019 Scorecard

原題:Steady, Not Strong as Southeast Asia Faces Growth Risks in 2019(抜粋)

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