コンテンツにスキップする
Photographer: Kiyoshi Ota

来年度の国債市中発行額、129.4兆円と6年連続減-20年債以下を減額

  • 30年債と40年債の発行額は変更なし、流動性供給入札も据え置き
  • 新規財源債は32兆円台と9年連続減少、発行総額は5年連続減
Japanese yen banknotes of various denominations are arranged for a photograph in Tokyo, Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota

政府が来年度に定例の入札を通じて機関投資家に販売する国債の市中発行額は129兆4000億円と、今年度当初計画を4兆8000億円下回る。償還までの期間が2年から20年までの利付国債をまんべんなく減額する。市場では5兆円規模の減額は織り込み済みで、債券相場への影響は限定的との見方が出ている。

年限別発行額の概要

  • 発行減額は6年連続で、リーマンショックの悪影響が深刻化する前に編成した2009年度当初予算以来の低水準
  • 2年、5年、10年、20年物の利付債をそれそれ年1兆2000億円ずつ減額
  • 今年度に17年ぶりに減額した30年債と初めて減らした40年債は変更なし
  • 流動性供給入札は過去最大規模のまま据え置き、市場関係者との意見交換を踏まえて柔軟に調整
  • 10年物価連動債は据え置くが、市場環境や投資需要に応じて柔軟に調整
  • 1年割引短期国債は変更なし
    • 1年政府短期証券が来年2月から月3000億円から1000億円に減るため、両者を合わせた1年国庫短期証券の発行額は月2兆1000億円から1兆9000億円に減る  

市場参加者のコメント

  • SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジスト
    • 今回の国債発行減はおおむね織り込まれており、相場への影響としても日銀買い入れの方が大きく、市場の関心は薄れている
    • 発行減額を受けて、日銀が買い入れオペの減額にどの程度積極的に動くかどうかが注目
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト
    • 来年度予算案は初めて100兆円を超え、例年以上に歳出カットに向けた切り込みの甘さが厳しく批判されそうだ。安倍政権下で続く財政再建の先送りは潜在的・将来的な国債売り材料になりそう
    • ただ、カレンダーベースの発行減額などにより、今日の債券市場がそれを表立って嫌気する場面はないだろう

年限別国債(市中消化)発行額・回数 

*T
 区分      年          月          頻度 

40年債2.4兆円(変わらず)0.4兆円(変わらず)年6回
30年債8.4兆円(変わらず)0.7兆円(変わらず)年12回
20年債10.8兆円(▲1.2兆円)0.9兆円(▲0.1兆円)年12回
10年債25.2兆円(▲1.2兆円)2.1兆円(▲0.1兆円)年12回
5年債22.8兆円(▲1.2兆円)1.9兆円(▲0.1兆円)年12回
2年債24.0兆円(▲1.2兆円)2.0兆円(▲0.1兆円)年12回
1年
割引短期国債
21.6兆円(変わらず)1.8兆円(変わらず)年12回
10年物価連動債1.6兆円(変わらず)0.4兆円(変わらず)年4回
流動性供給12.6兆円----
計129.4兆円

注:()は前年度比
*T

国債発行予定額

  • 国債発行総額は1兆1570億円少ない148兆7286億円
    • 5年連続で減り、当初予算としては09年度以来の低水準
  • 新規財源債は32兆円台
    • 9年連続で減り、当初予算としては08年度以来の低水準
  • 借換債は103兆1404億円-5年連続で減り、10年度以来の低水準
  • 20年度の借換債を来年度発行する前倒債の限度額は2兆円少ない53兆円
  • 日銀が償還を迎えた保有国債を1年だけ割引短期国債に再投資する日銀乗り換えは3000億円減少
  • 個人向け販売分は1兆4000億円増加を見込む-販売好調につき
  • 平均償還年限は9年1カ月でほぼ変わらず-残高ベースでは9年2カ月と過去最長

当初計画の国債発行額比較(単位:億円)

*T

2019年度当初 前年比18年度当初
<発行総額> 1,487,286 -11,570 1,498,856
新規財源債    326,598 -10,324 336,922
復興債       9,284    -279  9,563
財投債    120,000     --- 120,000
借換債   1,031,404    -967 1,032,371
<消化方式別発行額>
市中発行分

  1,418,286

 -22,570

 1,440,856
カレンダーベース  1,294,000 -48,000 1,342,000
第2非価格競争入札        85,640      640  85,000
年度間調整分        38,646  24,790  13,856
個人向け販売(窓販含む)      47,000  14,000  33,000
公的部門(日銀乗換)      22,000  -3,000  25,000

*T

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE