マティス国防長官が2月末に退任-トランプ大統領が発表

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  • 戦略的同盟での米リーダーシップの価値を書簡で大統領に伝える
  • 大統領の見解とより合致する国防長官を選ぶ権利あるとマティス氏

マティス国防長官

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

マティス米国防長官は20日、トランプ大統領との政策を巡る見解の相違を理由に辞意を表明した。前日にはトランプ大統領がシリア駐留米軍の撤退を突如発表していた。

  ホワイトハウス当局者によると、マティス長官は20日午後の会談で大統領に辞任の決断を伝えた。この会談で両者はシリア駐留米軍の撤退を含む政策を巡る見解の相違について議論したという。

  マティス長官は大統領に宛てた2枚の書簡で、北大西洋条約機構(NATO)や、過激派組織「イスラム国」(IS)打倒を目指す74カ国による連合など戦略的同盟における米国のリーダーシップの価値に関する信念を伝えた。

  国防総省が公表した同書簡によると、マティス長官は「この問題や他の問題について大統領自身の見解とより良く合致する国防長官を選ぶ権利が大統領にある以上、私は辞任することが正しいと考える」と記した。

  トランプ大統領は同書簡が公表される少し前にツイッターへの投稿でマティス長官の辞任を発表。「この2年間、私の政権で国防長官を務めた後、殊勲を残して2月末で辞任する」と述べていた。大統領は後任を「近く」発表するとした。

「重大な政策ミス続く恐れ」

  マルコ・ルビオ上院議員(共和)はツイートでマティス長官の書簡について、「米国を危機に陥らせ、米国の同盟に打撃を与え、敵の力を増す重大な政策ミスが続く状態に向かっていることを、極めて明白にした」と述べた。

  上院情報特別委員会の民主党筆頭理事、マーク・ワーナー議員もツイートで、「これは恐ろしい。マティス長官は混乱の極みのトランプ政権で安定の要だった」と指摘した。

  マティス長官はトランプ大統領が2016年大統領選で勝利後、真っ先に選んだ閣僚の1人。予測不可能な行動を取ることを誇りに思う大統領の下で北朝鮮やシリアなどを巡る危機的状況を乗り切らざるを得なかった米政権内で、マティス長官は外交政策の安定の要とみられてきた。しかし、他の米国家安全保障に関わる上級顧問らと同様、マティス長官は今週、シリア駐留米軍の撤退を決めたトランプ大統領の判断に異を唱えたと考えられている。

  「戦う修道士」や「狂犬」の異名を持つマティス長官は、軍と外交政策に安定をもたらす発言をすると評価されていたほか、国防費の大幅拡大を実現させた。

  ブルームバーグ・ガバメントの防衛アナリスト、ロブ・レビンソン氏はマティス氏について、「国防総省予算の大幅引き上げを実現させつつ、アフガニスタンやイラク、シリアから米軍を撤退させないよう大統領を説得するばかりか、これらの国での作戦強化を促した」と指摘。「マティス氏は国防総省の『殺傷力』を高める一方で、肥大化する官僚制度や関連コストの縮小・削減に努めた。しかし、こうした取り組みが変化をもたらしたかどうかについては後の評価を待たねばならない」と述べた。

原題:Mattis Resigns as Defense Chief, Citing Differences With Trump(抜粋)

(米議員やアナリストのコメントなどを追加して更新します.)
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