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TOPIXが弱気相場入り、国内要因からの割安修正には時間も

  • 米中貿易摩擦の行方が判明する「3月までは辛抱」とUBS証
  • 割安評価の買いに期待、TOPIXのPERは12倍

TOPIXは20日、1月に付けた直近高値からの下落率が20%を超えて「弱気相場」入りした。米国と中国の貿易摩擦や両国の景気減速懸念などが重しとなった1年で、市場からは短期的に一段安を見込む声が聞こえる。

  UBS証券ウェルス・マネジメント本部の日本株リサーチヘッドを務める居林通氏は、米中の関税を巡る休戦が失効する「3月まで、世界の投資家からの売り圧力に日本株は苦しむ」と英語でインタビューに応じ、「底には近いが幾分下押しが残るかもしれない。3月までは辛抱だ。寒い冬になるだろう」と述べた。

  第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストも「この1年間で学んだことは、ぎりぎりで貿易戦争が回避されるとの見方は間違いで、トランプ米大統領は本当に発動するということだ」と指摘。「今は90日間の停戦協定を結んで合意に向けて協議を続けているが、結果は分からない」とし、合意できない場合はいったん株価が下落する可能性を指摘する。

  TOPIXの20日終値は前日比38.99ポイント(2.5%)安の1517.16。1月23日に付けた年初来高値1911.07からの下落率が21%となり、3年ぶりに弱気相場入りした。日本銀行は今年、上場投資信託(ETF)の年間買い入れを過去最高の6兆円超としたが、外国人を中心にした売り圧力に耐え切れなかった。東京証券取引所の投資部門別売買動向(東証、名証2市場の合計)によると、11月までの外国人の年間売越額は4兆5989億円と、ブラックマンデーの1987年以来の大きさ。

TOPIXが1月の高値から20%超下落

  もっとも、国内に目を向ければ企業業績は来期も増益ペースを堅持するとの見方が多く、好業績と割安感を評価した買いで株価はいずれ回復するとの声も聞かれる。ブルームバーグによるTOPIXの今年度予想株価収益率(PER)は20日時点で12.0倍。三井住友アセットマネジメントの調査によると、主要227社(金融除く)の19年度経常利益は1ドル=110円の為替前提で18年度予想比8.1%増。仮に105円まで円高が進んでも同4.9%増。20日現在は1ドル=112円前後で推移する。

  藤代氏は「来年は企業収益が減益になるまで距離がある」とした上で、「PERからみて日本株はこれ以上の下落が想定しにくい。PERの回復で日経平均は来年中に2万3000円への上昇も考えられる」と言う。  

  野村証券の松浦寿雄チーフ・エクイティ・ストラテジストも「時間軸を半年か3年とするなら、日本株には投資チャンスがある」との見方だ。どこかでバリュエーションの「修正が起きるというのが今の日本株の環境。来年は日本固有の材料として選挙を控えている。1-3月は厳しいが、年前半に対策が打たれ、それを好感して年央高となりそう」と言う。同証では来年6月にTOPIX1600、日経平均2万4000円を予想している。

  アライアンス・バーンスタインの村上尚己マーケット・ストラテジストは「これまでの日本株の下落は米国株の下落でほぼ説明可能で、日本側の要因は大きくない」とコメント。「外国人による日本株売りは、日本に対して失望したという訳ではないだろう。米国株が上昇すれば、日本株も買い戻されるだろう」と述べた。
 
  一方、AMPキャピタル・インベスターズの運用担当者、ネーダー・ナエイミ氏は電子メールで、「今のところ、幅広い世界の株式トレンドの方向を決めているのは米国株だ。しかも不運なことに、米国株は世界的な弱気相場に遅れて参加している格好で一段の下げ余地がある。ファンダメンタルズを理由に日本株を買うのは恐らくベストな行動ではない」とした。

  JPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは「世界景気の減速や過剰流動性の終わりなどから、基本的に来年の日本株に強気になれる材料は難しい」としながら「そうした要素はことしのマーケットで意識されPERは既に12倍と売られている。こういうときはポジティブサプライズも出やすい」と話し、売り一辺倒に注意を促した。

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