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11月全国消費者物価0.9%上昇、伸び鈍化-石油製品の寄与縮小

更新日時
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇
  • 原油急落の影響が本格的に出てくるのはこれから-三菱モルガン

総務省が21日発表した11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.9%上昇と前月の伸びを下回った。市場予想を下回った。ガソリンや灯油の上昇幅が前月から縮小した。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.9%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は1.0%上昇)ー上昇は23カ月連続、前月は1.0%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.3%上昇(予想は0.4%上昇)ー前月は0.4%上昇
  • 総合CPIは0.8%上昇(予想は0.8%上昇)-前月は1.4%上昇

2%目標には距離

詳細

  • 上昇は灯油(21.9%)、ガソリン(12.8%)、電気代(5.6%)、外国パック旅行費(11.4%)。下落は生鮮野菜(4.5%)、携帯電話通信料(4.2%)
  • コアCPIは前月から0.1ポイント縮小したが、原油価格が足元で下落している影響でガソリンの下落が大きく効いている-総務省
  • それ以外についてはさほど前月と変わらない状況。ただ、上昇品目数が前月より少し増えており、広がりという意味では拡大している-総務省
  • 食料は生鮮食品の価格が下がっており、特に野菜が大きく下落に寄与している。総合CPIは前月から0.6ポイント縮小しているが、そのうちの0.5ポイント程度は生鮮食品で押し下げられている-総務省

エコノミストの見方

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の戸内修自シニアマーケットエコノミスト:

  • 足元の原油相場の急落の影響が本格的に出てくるのはこれからだ。現在の原油相場の水準が続けば、日本銀行は来年1月の展望リポートで物価見通しを下方修正する可能性が高い

伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員:

  • エネルギー以外も結構下がっている。7-9月のマイナス成長の弊害は結構解消していると思うので、10-12月はそれなりのリバウンドがあり、需給ギャップの縮小はもうないだろう。コアコアが下がっていくことはもうないと思うが、エネルギー価格の影響はこれからとみられ、どうしても抑えられてしまう
  • そのためコアコアが若干伸びを高めてもコアでは下がる局面がしばらく続くだろう。エネルギーが来年にかけて効いてくると思う。為替も少し円高に振れている。これは短期的かもしれないが、このままいくと少なくとも今までは緩やかな円安が物価を柔らかく押し上げたと思うが、その分もなくなってしまう
  • 今回の日銀会合はポーズだけで片付いたが、1月は展望リポートもあり、さらに日銀への緩和的な動きのプレッシャーがかかるだろう。かといって手はないが、あるとしたら上場投資信託(ETF)の買い増しくらいだろう

背景

  • 物価の基調は引き続き弱い。原油相場の下落が今後、物価の足を引っ張る要因になる。WTI原油先物は10月始めの1バレル=75ドル超から足元で50ドルを割り込んだ。原油価格が現状程度で推移すればコアCPI前年比を大きく押し下げるとみられる
  • 17日公表の企業短期経済観測調査(短観)の企業の物価見通し(CPIをイメージ)は、1年後が0.9%上昇、3年後が1.1%上昇、5年後が1.2%上昇だった。企業の中長期の期待インフレも明確に上向いているとは言いがたい
  • 日銀の18年度のコアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値)は0.9%上昇、消費増税の影響を除く19年度は1.4%上昇、20年度は1.5%上昇。原油下落や携帯料金値下がりで、来年1月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)でさらに下方修正されるとみられている

(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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