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FOMC声明は予想よりハト派色薄い-市場関係者の見方

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Jerome Powell, chairman of the U.S. Federal Reserve, carries his notes while exiting after a news conference.

Jerome Powell, chairman of the U.S. Federal Reserve, carries his notes while exiting after a news conference.

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Jerome Powell, chairman of the U.S. Federal Reserve, carries his notes while exiting after a news conference.
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)は18-19日に開いた定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25-2.50%のレンジへ引き上げた。2019年の利上げ見通しは前回予測の3回から2回に減少した。

  利上げは今年に入ってから4度目。最近の株価急落を無視し、トランプ大統領からの圧力に逆らう格好となった。金融当局は来年の利上げ回数予想を減らすことで引き締め休止が近づいている可能性を示唆したが、予想中央値では2020年にはなお1回の利上げを見込んでいる。

  これについての市場関係者の見方は以下の通り。

◎新興国資産は上昇か、米金融当局のハト派傾斜やプラス成長で-BBVA
  米金融当局が利上げのペースを抑制し、世界経済が拡大するのに伴い新興市場資産は勢いを増すだろうとバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のニューヨーク在勤ストラテジスト、ダニー・ファン氏が予想した。

  • ファン氏は最初の市場の反応は「恐らく、それほどハト派寄りでない当局を説明する動きだろう」と述べた上で、「時間の経過とともに、さほどタカ派寄りでない当局と世界的に依然としてプラスの経済成長が重なり、新興国資産を支えるはずだ」と予想
  • 「景気減速は既にかなり考慮されている。中国と米国、欧州などの景気減速を大方の人々が予想している。市場は当局が現在よりもハト派寄りになると考えていたのだろう」

◎米利回り曲線は一層フラット化も、当局の「タカ派」姿勢で-TD
  パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派寄りの発言で市場を安心させない限り、5年債と30年債の利回り曲線はフラット化し、スプレッドは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に向かう可能性がある。TDのグローバル金利戦略責任者、プリヤ・ミスラ氏が指摘した。

  • FOMCの決定は「市場の予想に比べてタカ派的」だが、S&P500種株価指数がこれを嫌い米10年物国債相場は上昇する可能性も
    • 10年債のフェアバリューは2.75%だが、S&P500種が「実際に崩れれば」債券高になる可能性も

◎米利上げの大部分は終了、新興国市場の魅力増す可能性-シーポート
  米金融当局が利上げの大部分を終了し、よりハト派的な見通しを持っていると考えられる今の状況では、新興国市場の魅力が増す可能性があるとシーポート・グローバル・ホールディングスの債券ストラテジスト、マイケル・ローチ氏(ニューヨーク在勤)が指摘した。

  • 「予想されたフェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げの大部分が今や終わったと考えられ、将来の利上げに伴う新興国市場へのマイナスの影響は徐々に小さくなることが予想される」とローチ氏
  • 「引き締めサイクルが終了しつつあるように見える中で、ますます多くの資金が新興国市場に引き付けられるだろう」

 
◎FOMC金利予測、来年3回の利上げ予想する幹部の存在示唆-DWS
  FOMCの金利予測の下方修正でもタカ派の傾向はある。DWSの米債券共同責任者、グレッグ・ステープルズ氏がFOMCの声明と予測の発表後に電話インタビューでこう指摘した。

  • 同氏はドット・プロット(金利予測分布図)の中央値が2019年に2回の利上げを示唆する水準に低下したものの、「3回の利上げはまだあり得ると考えるFOMC幹部らはまだいる」とコメント
  • 「当局は市場に耳を傾けており、市場を尊重しているが、市場に支配されることはないことを示している」
  • この決定は米国の金利に対するステープルズ氏の中立的ポジションを変えるものではないが、短期債利回りの低下でイールドカープが若干スティープ化する可能性があると同氏は予想

◎FOMC後のドル上昇、「超ハト派的」でない利上げが一因-BNP
  米FOMCが利上げを決定した後にドルが上昇した一因は、利上げが「超ハト派的」ではなかったことだとの見方を、BNPパリバの外為戦略北米責任者ダニエル・カッツァイブ氏が示した。

  • 「超ハト派的なシナリオを避け、市場が見込んでいるものが得られた」とカッツァイブ氏は電話インタビューで発言
  • 1Qの経済指標はもう一度利上げを行うのに十分なほど良いと予想。これはドルがかなりよく持ちこたえることを意味する

◎FOMC後のドル高、「多少」逆戻りする可能性も-ウェルズF
  FOMCの利上げ決定後のドル高の動きは、ハト派寄りのFOMC声明を理由に抑制され「多少」逆戻りする可能性がある。ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、エリック・ネルソン氏がこう予想した。

  • 「世界各国の中央銀行からさらなる動きが出てくるまで」向こう2カ月は全般的にドルの下落余地は限定的だとネルソン氏は電話インタビューでコメント
  • さらに漸進的な利上げの検討継続がドルの強さとユーロの弱さの要因だろう

◎FOMC声明は予想よりハト派色薄い-ソシエテのラジャッパ氏
  FOMC声明は予想されたほどハト派寄りではないと、ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャッパ氏はFOMCの決定と新たな経済予測の発表を受けてコメントした。

  • インフレ期待に関する文言に変更がない点にラジャッパ氏は言及
  • 声明は「幾分かの」追加利上げに言及しており、「データ依存への明確なシフトはない」とラジャッパ氏
  • 「FOMCは基本的に金融引き締めスタンスを維持している」と同氏

◎イールドカーブは一段とフラット化、米追加利上げ示唆で-BMO
  米金融状況の引き締まりとインフレ抑制傾向を認めるパウエルFRB議長のコメントは、「今後の金融政策の道筋がより低くなるための下地を作っており」、米10年債利回りを押し下げると、BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏が電子メールで指摘した。

  • 金融当局が中立金利に向け利上げを続けて期間が短めの金利を押し上げる中、米イールドカーブは一段とフラット化する
    • 2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)が次に試されるのは9.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、その次は5bpになり、最終的に「長短逆転に向けた協調した試みがあるだろう」
  • 市場が織り込んでいる2019年3月と6月の利上げは「低過ぎると見受けられる」

  

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