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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

11月貿易収支は2カ月連続の赤字-油価上昇で輸入額増加

更新日時
  • 輸出額は0.1%増と予想下回る、輸入額は11月としては過去最大
  • 輸出が弱い、海外経済の減速がかなり効いてきている-大和総研
Container ships are berthed at a shipping terminal in Yokohama, Japan, on Monday, April 16, 2018. Japan and China held their first high-level economic dialogue in almost eight years on April 16 against a backdrop of trade threats from the U.S.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は11月速報で7373億円の赤字と、2カ月連続の赤字となった。原粗油や液化天然ガスなどの価格上昇で輸入額が11月としては過去最高を記録する一方、輸出額の伸びは災害の影響でマイナスとなった9月を除くと2年ぶりの低水準となった。財務省が19日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は7373億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は6300億円の赤字)-前月は4501億円の赤字
  • 輸出は前年比0.1%増(予想は1.2%増)の6兆9276億円と2カ月連続増加-前月は8.2%増
    • 輸出数量指数は1.9%減と2カ月ぶりの減少
  • 輸入は12.5%増(予想は11.8%増)の7兆6649億円と8カ月連続の増加-前月は19.9%増

Japan's export growth has been slowing this year
詳細

  • 輸入額は11月としては過去最大、油価上昇-財務省担当者
    • サウジアラビアから原油、オーストラリアから天然ガス、韓国から灯油が増加
  • 輸出額の伸びは0.1%と、災害の影響でマイナスとなった9月を除くと2016年11月(マイナス0.4%)以来の低水準-財務省
  • 世界経済の減速という認識はない-財務省
  • 対米貿易黒字は5.4%減の6234億円の黒字、5カ月連続で黒字幅縮小-財務省
  • 貿易摩擦との関係については、内外経済情勢や原油価格などさまざまな影響を受けるため一概には言えない-財務省

エコノミストの見方

大和総研経済調査部の広野洋太研究員:

  • 非常に弱い印象。輸出がすごく弱かった。その背景を見ると、どの国に向けても輸出数量が落ちている。海外経済の減速がかなり効いてきている
  • 9-10月は災害関係でかなり振れてしまい、軟調さは見えにくかったが、基調として軟調な推移が続いていたようだ。基本的には減速傾向は続くとみている
  • 対米黒字縮小の背景をはっきり見て取ることはできない。シンプルに日本の輸出が伸び悩んでいる。品目別に見ると鉄鋼は弱い状況が続いている。直接米国が関税を引き上げているので、その影響が局所的に出ている
  • 米中貿易摩擦の影響については、中国向けICの輸出は結構減少傾向が強い。推測ベースになるが、米中間の知財関連やハイテク関連の摩擦が多少企業の行動に影響し始めている可能性はある

              
みずほ証券の宮川憲央シニアエコノミスト:

  • 輸出は引き続き勢いを欠いている。中国経済の減速や、世界的に半導体分野の調整が続いていることが大きな要因とみている。貿易戦争がすでに影響し始めている可能性もある
  • 今後輸出が明確に持ち直していくことは考えにくく、日本経済は力強い回復に向けてけん引力を欠く状況が続く

背景

  • 9月に発生した台風21号や北海道地震など相次ぐ自然災害に伴う供給制約や消費マインドの低下が個人消費や外需を押し下げ、7-9月期の実質国内総生産(GDP、改定値)は2四半期ぶりにマイナス成長
  • 10-12月期には反動増を予想する声は多いが、貿易摩擦や世界景気に不透明感が増している。政府は18年度の実質GDP成長率見通しを1.5%から0.9%に、19年度を1.5%から1.3%にそれぞれ引き下げた
    • 18年度はアジアのIT需要の頭打ちや災害による個人消費や輸出の停滞、19年度は世界成長鈍化で設備投資や外需寄与度が減退する見通し
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します.)
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