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日銀会合注目点:海外リスク、6兆円超えのETF、長期金利の動向

  • 「海外経済を巡る不確実性が増している」と黒田総裁
  • 日銀当局者からは長期金利が0%以下になっても構わないとの意見
A cyclist rides pasts a security guard standing outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo.

A cyclist rides pasts a security guard standing outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
A cyclist rides pasts a security guard standing outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は20日の金融政策決定会合後に政策運営方針を発表する。金融政策は現状維持が予想されており、最近の世界的な株価変動や米中貿易摩擦の影響、来年の消費増税を控えた景気動向などに関し、黒田東彦総裁が記者会見で示す見解が焦点となる。

  ブルームバーグが10-13日に実施した事前調査では、エコノミスト49人全員が現状維持を予想した。世界経済の先行き不透明感から株価は乱高下を続けている。黒田総裁は6日の国会答弁で「海外経済を巡る不確実性が増している」と指摘。「最も大きなリスク」は米中貿易摩擦のアジア、世界経済への影響で、「注意深く点検し、必要に応じ適切な対応を取っていきたい」と述べていた。

  事前調査では、世界的に金融市場でリスク回避が強まる中、2019年末までに長期金利目標を引き上げるとの予想は6人(12%)と前回10月調査(22%)から低下。先行き不透明感から金融政策正常化への期待も沈静化している。長期金利が低下する中で、日銀当局者からは長期金利が0%以下になっても構わないとの意見が複数出ている。長期金利の動向に関する総裁発言も市場は注目している。

  日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れ額が今年初めて6兆円を上回り過去最高に膨らんだ。日本株は企業業績が堅調ながらも外国人を中心に大幅な売り越しとなり、相場下支えで再び「日銀頼み」の状況が浮き彫りとなった。

  黒田総裁が7日に行った半期報告に伴う国会質疑では、ETF買い入れを巡る質問が相次いだ。個別銘柄に大きな影響を与えているとの見方に対し、総裁は「それをセールスポイントにしていろいろなことを言っている人がいるが、私どもの見るところではセールストークであって、具体的に個別銘柄に大きな影響を与えているとは思ってない」と説明した。

  景気の先行き不透明感が強まる中、景気後退を意識する見方も出始めている。景気後退に陥っても、日銀には有効な手段は乏しいとの声が強い。黒田総裁は6日の国会答弁で、追加緩和の手段について「短期政策金利の引き下げや長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリーベース拡大ペースの加速などが抽象的には考えられる」と従来の見解を繰り返すにとどまった。

ブルームバーグの事前調査の結果はこちら

  会合は従来、総じて正午から午後1時の間に終了している。黒田総裁は午後3時半に記者会見を行う。 

注目点
理由
世界経済とリスク黒田総裁は6日の国会答弁で、「海外経済を巡る不確実性が増している」と指摘。「最も大きなリスク」は貿易摩擦のアジア、世界経済への影響で、「注意深く点検し必要に応じ適切な対応を取っていきたい」と述べた
長期金利の動向長期金利が低下する中で、日銀当局者からは長期金利が0%以下になっても構わないとの意見が複数出ている。黒田総裁の会見での反応はいかに
ETF購入ETF年間買い入れ額が今年初めて6兆円を上回って過去最高に。個別銘柄に大きな影響を与えているとの見方に、黒田総裁は「セールストーク」と反論
来年の金融政策の展望景気後退に陥った場合、日銀には有効な手段は乏しいとの声が強い。黒田総裁は従来の見解を繰り返すにとどまるか

前回の決定内容

  • フォワードガイダンス「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」
  • 長期金利(10年物国債金利)の誘導目標は「0%程度」、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得る
  • 短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)は「マイナス0.1%」
  • 長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどは「約80兆円」
  • 指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れは年間約6兆円、市場の状況に応じて上下に変動し得る、不動産投資信託(J-REIT)買い入れは同900億円
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