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中国によるカナダ人拘束、華為CFO逮捕の報復か-過去の事例と酷似

  • 実際に拘束されたギャラット夫妻の懸念が的中した
  • 「華為のケースが続く限り、中国は恐らく拘束を続ける」とケビン氏

カナダ当局が中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の幹部を逮捕したことを知ったギャラット夫妻は、中国にいるカナダ人が行方不明になるのではないかとの不吉な考えが浮かんだ。

  対イラン制裁に違反したと主張する米国の要請に基づき華為の孟晩舟最高財務責任者(CFO)がバンクーバーで逮捕されたのが12月1日。その後、実際に中国で2人のカナダ人が国家安全当局に相次ぎ拘束された。ケビン・ギャラット、ジュリア・ギャラット両氏は実体験からこうした事態を懸念をしていた。

Huawei Technologies Chief Financial Officer Wanzhou Meng Out On Bail

華為技術の孟晩舟最高財務責任者(CFO)

撮影:Ben Nelms / Bloomberg

  ギャラット夫妻は中国東北部でコーヒーショップを経営していたが、2014年に中国国家安全当局に拘束された。今は罪を認め米連邦刑務所で服役している蘇斌受刑囚をカナダが米国に引き渡さないようにするため中国当局により人質にされたのだ。ケビン氏の拘束は2年余り続き、拘束時と同様に突然解放された。ジュリア氏の拘束は6カ月間だった。

Kevin and Julia Garratt

ギャラット夫妻

出典:KevinとJulia Garratt

  ギャラット夫妻が拘束されていたのはいわゆる「ブラックジェイル」。正規の司法手続きを経ない収容施設だ。拘束理由は国家安全保障に関するもので、今月に入り中国で拘束された元カナダ外交官のマイケル・コブリグ氏と北朝鮮を訪れる外国人の添乗員を仕事としているマイケル・スパバ氏と同じ理由。米プロバスケットボールNBAの元スター選手デニス・ロッドマン氏も訪朝時にスパバ氏の助けを借りている。

  蘇受刑囚のケースはカナダの判事が米国の証拠に基づき身柄引き渡しを命じた。ボーイングとロッキード・マーチンの軍用機計画の窃盗で中国軍のハッカーと共謀し、それを中国企業に売ろうとしたことを示す証拠だった。蘇受刑囚は16年7月に罪を認め、4年近い禁錮刑を言い渡された。その2カ月後にケビン氏は拘束を解かれ、中国から国外退去処分となった。「蘇斌という人物が誰なのかさえも知らなかった」とケビン氏は話す。

Dennis Rodman,Michael Spavor

マイケル・スパバ氏と米プロバスケットボールNBAの元スター選手デニス・ロッドマン氏

撮影:Ng Han Guan / AP写真

  カナダも中国も孟CFOの逮捕とカナダ人2人の拘束を直接的には結び付けていない。だが報復であるのは明らかだとギャラット夫妻は語る。「そう確信している」とためらいもなく言うケビン氏によれば、「華為のケースが続く限り、中国は恐らく拘束を続ける」。夫妻は中国で拘束された経験を著書にまとめている。

原題:Chinese Arrests Are All Too Familiar for Past Canadian Detainees(抜粋)

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