FOMC、米国株売り込まれた状況で利上げ断行なら極めて異例の展開

  • 株価低迷時の金融引き締めは、1980年以降76回の利上げで2回のみ
  • 金融や市場の安定に関してどのような判断示されるか投資家は注目

The Marriner S. Eccles Federal Reserve building.

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

トランプ米大統領によるけん制はさておき、株式相場がこれほど悪化している状況で連邦準備制度が利上げに踏み切れば極めて異例だ。

  実際、連邦公開市場委員会(FOMC)が19日に大方の予想通り利上げに動けば、現状のように厳しい市場環境での金融引き締めは1994年以来初めてとなる。現時点でS&P500種株価指数は過去3カ月と半年、1年の期間でみて下落しているが、こうした状況での利上げは80年以降の76回中2回しかなかった。

  S&P500種株価指数の構成銘柄の半数は弱気相場入りし、銀行や運輸などの業種が連日大幅下落している一方で、一部の主要経済データはタカ派の主張を支えている。このため、最近の市場の波乱が米金融当局者の注意を引いている兆候がないか、金融や市場の安定に関してどのような判断が示されるか投資家は注目している。

  グラスキン・シェフ・アンド・アソシエーツのチーフエコノミスト兼ストラテジスト、デービッド・ローゼンバーグ氏は「これは連邦準備制度にとって興味深いジレンマだ」と述べ、「金融市場はこれ以上は不要だと告げているが、経済データは追加引き締めが依然として適切であることを示唆している」と分析した。

  米金融政策の策定における市場の役割は絶え間なく議論されているが、1980年以降、利上げはほぼ全て株式相場が浮揚している中で実施されてきたというのが事実だ。平均すると、S&P500種株価指数は引き締め直前3カ月で4.1%、同半年で6.9%、同1年で11%それぞれ上昇していた。例外は70年代で、米金融当局は年率7%上っていたインフレ対策のため市場の混乱を顧みず金利を引き上げた。

  もちろん、足元の経済情勢はそのような状況ではない。消費者物価は過去6年間にわたり3%を下回る水準にとどまっており、経済成長率は3.5%と、景気過熱の定義には入れにくい。逆に、リセッション(景気後退)への言及が専門家のコメントに増えつつある。

  連邦準備制度理事会(FRB)は今月の報告書で、金融安定面の懸念はあまり大きくないとの認識を示したものの、米株式市場の時価総額を3兆ドル(約338兆円)減少させた相場急落を踏まえ、利上げ停止を求める声は多い。

  ストラテジストの間には、まだデータに反映されていないメッセージを株式市場が送っている可能性があるという意見も一部にある。米中通商対立や英国の欧州連合(EU)離脱問題、世界的な景気減速などが米経済を脅かす中、過去3年間で8回の利上げで十分とするものだ。

  FOMCは19日に2日間の会合を終えて政策決定を発表する。ブルームバーグが調査したエコノミスト89人中2人以外は利上げを予想している。

出典:Bianco Research

原題:Fed Rate Hikes Are Extremely Rare When Stocks Are This Beaten Up(抜粋)

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