日銀オペ減額の加速は必至か、国債発行6年連続減-金利低下回避

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  • よほど積極的にオペ削減しないと需給タイト化進むーSMBC日興
  • 問題は発行が減る以上に日銀が買い入れを減らせるかーメリル日本証
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

債券市場では来年度の国債発行額が6年連続で減少すると見込まれており、日本銀行は国債利回りが低下し過ぎないように買い入れオペの減額ペースの加速に迫られるとの見方が出ている。

  ブルームバーグが2019年度の国債発行計画について、証券会社10社を対象に実施した調査によると、全社が14年度から6年連続で減額と予想。債券相場に直接的に影響を及ぼす、入札を通じたカレンダーベースの市中発行額については、18年度当初計画の134兆2000億円より2兆円から最大6兆円減るとみている。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「よほど積極的に日銀が買い入れ削減を行わないと債券市場の需給タイト化が進み、金利水準が低下する可能性がある。投資家が円債投資により消極的になる」と言う。

  日銀は金融緩和策の軸足を量から金利に移したことに伴い、国債買い入れペースを鈍化させている。7月には市場流動性の回復への対応でペースを一段と緩めた。11月の買い入れオペ総額は6.6兆円程度と、追加金融緩和を決めた14年10月より前の規模まで縮小。目標の年間増加額80兆円めどの半分のペースまで落としている。今後、国債の供給量が減れば、それに合わせてオペを減額していかないと、需給が逼迫する要因となる。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「発行が減った分は単純に日銀の買い入れ減額が可能になるが、問題は発行が減る以上に買い入れを減らせるかどうかだろう」と指摘。「今まで避けてきた残存期間10年近辺の買い入れを減らす必要もありそうだ」と言う。 

カレンダーベース
変更見通し
年限別の調整
三菱モルガン6兆円減1年TB、2年、5年、10年、20年減額
メリルリンチ3.6兆円減5年、10年、20年減額
みずほ5.4兆円減1年TB、2年、5年、10年、20年減額
流動性供給は増額
大和2.4兆~3.6兆円減5年、20年減額(10年減額の可能性も)
SMBC日興最大4兆~5兆円減5年、10年、20年減額
(総発行額次第で2年減額も)
モルガンMUFG2.4兆円減5年、20年減額
BNPパリバ3.6兆円減5年、10年、20年減額
JPモルガン4.8兆円減2年、5年、10年、20年減額
バークレイズ4.8兆円減2年、5年、10年、20年減額
岡三証2.4兆円減2年、20年減額

  ブルームバーグは、財務省は19年度国債発行計画で入札を通じた市中発行額を18年度当初予算比4.8兆円減の129.4兆円とする方針と伝えた。

来年度国債発行額に関する記事はこちらをご覧下さい。

  長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りは、世界的な景気減速懸念を背景としたリスク回避の買いで水準を切り下げている。14日には長期債に相当する残存5年超10年以下の購入額を減らしたが、同利回りは0.025%と7月末の日銀金融政策修正前の低水準を更新した。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、「財務省の国債発行と日銀の買い入れバランスという観点のみから考えれば、日銀はゆっくり減額できるかもしれないが、どちらかというと、発行減額効果の方が効いていくとみられ、大きく金利上昇が進むということは考えられない」とみる。

(第6段落を追加して更新します.)
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