英国のEU離脱延期、実は簡単かも-最短2日間で国内手続きは完了

メイ英首相は自らが欧州連合(EU)と結んだ離脱合意に議会の承認を取り付けるのに苦慮しており、英国が合意なき離脱に陥るリスクは強まっている。そこで一つ疑問が生じる。英国の離脱期日を先延ばしすることは難しいのだろうか。

  実は英国側でこの手続きに必要なのは、短時間の議論と議会の承認だけだ。合意なきEU離脱への反対という点では上下両院の過半数が一致しているため、議会承認はかなりスムースに進むだろう。

  離脱期日の延期を目指す場合、英国では以下のような流れをたどる。

  • 英国は今年に入って成立したEU(離脱)法で、「離脱期日」を2019年3月29日午後11時と決定した
  • ただ、この法律では大臣が「法規則により」期日を修正することが可能だと定めてもいる。この大臣とはEU離脱担当相を指すとみられるが、バークレーEU離脱担当相か別の閣僚が法案を起草し、議会に諮ることになる
  • 法案は下院特別委員会で審議される。委員会は通常、保守党議員9人、労働党議員7人、その他政党の議員1人で構成される
  • 特別委員会での審議は90分未満と定められている。審議の最後に採決が行われることもあるが、法的拘束力を持たないのでいずれにしろ政府は上下両院での採決日程を設定する。法案通過には両院での承認が必要
  • ここまで、2日間ですべて完了することが可能だ。必要になれば、の話だが

  では、EU側はどうだろうか。

  • EUの残る27カ国はリスボン条約50条に基づく離脱交渉の延長を全会一致で決定する必要がある
  • EU加盟諸国にも英国の合意なき離脱による悪影響への懸念があるため、延長を認めない可能性は低い。だが、それには国民投票の再実施や英国で新政権が誕生するなどのやむを得ない理由が必要になるとみられる。EUは離脱合意の見直しには応じない姿勢だ

  メイ首相は来年3月のEU離脱方針を断固として崩していないため、この問いは今のところ学問的な議論にとどまっている。だが離脱期日が近づくにつれ、選択肢としてこの離脱延期を考慮する必要が生じるかもしれない。

原題:Delaying Brexit Beyond March Is Easier Than You Might Think(抜粋)

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