再び離脱の最前線に立つメイ英首相-命綱はEUの譲歩、見通し険しく

  • 「バックストップ」条項についてEUから譲歩を取り付ける必要
  • 「議員らの懸念を和らげる法的・政治的保証を求めていく」とメイ氏

メイ英首相

Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg
Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

メイ英首相は、欧州連合(EU)との離脱合意案への与党保守党内の反発が招いた信任投票を何とか乗り切り、命綱と頼む譲歩を求めて、EUが13日からブリュッセルで開く首脳会議に出席する。

  メイ首相は保守党の下院議員による12日の信任投票で勝利したものの、3分の1を上回る議員の不信任表明でその権威は著しく傷付き、反対派と妥協するため、2022年までに予定される次期総選挙を党首として戦うことはないだろうと認めた。

  EU離脱まであと3カ月余りとなる状況で、首相がEUと取り決めた離脱条件が議会の承認を得られる兆しはほとんどなく、「合意なき離脱」とそれに伴う政治的・経済的混乱のリスクが高まりつつある。

  こうした状況を変えるには、英・EUが通商協定を締結できなくてもアイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置を回避することを保証する「バックストップ」条項について、メイ首相がEUから譲歩を取り付ける必要がある。首相への造反に加わった議員の多くはバックストップへの反対が動機となっており、英国の他の地域から英領北アイルランドを分離するような合意は支持できないと主張している。

  メイ首相は信任投票後に首相官邸の前でテレビカメラに向かって発言した際、バックストップに言及し、「あすEU首脳会議に赴くに当たり、下院議員らの懸念を和らげる法的・政治的保証を求めていくつもりだ」と述べた。

  EUに譲歩を促すメイ氏の働き掛けは、これまでのところ成功していない。11日にはオランダのルッテ首相、ドイツのメルケル首相、トゥスクEU大統領(常任議長)、EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長と相次いで会談したが、彼らのメッセージは似通ったものだ。すなわち、EUには保証を与える余地はあるが、離脱案の内容について再交渉に応じるつもりはなく、英国が求めるようにバックストップを暫定的とするつもりもないというものだ。

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原題:May Returns to Brexit Front Line After Surviving Ambush at Home(抜粋)

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