コンテンツにスキップする

中国出張巡り懸念する企業も-元カナダ外交官を情報機関が拘束で

  • コブリグ氏を拘束したのは国家安全省の北京局-国際危機グループ
  • 多国籍企業が幹部の北京出張に神経質になっているとの指摘
General Scenes Around the Great Hall and Tiananmen Sqaure Ahead of the 5th Session of the 12th National People's Congress
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
General Scenes Around the Great Hall and Tiananmen Sqaure Ahead of the 5th Session of the 12th National People's Congress
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

北京を訪れていたカナダの元外交官を中国の情報機関が拘束した。対イラン制裁違反を主張する米国の要請を受け中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)がバンクーバーで1日に逮捕されており、中国とカナダの対立がエスカレートする中で、出張で中国を訪問する外国人の安全を巡り懸念が広がっている。

  ブリュッセルに本部を置く非営利のシンクタンク、国際危機グループ(ICG)は12日、 昨年2月からシニアアドバイザーとしてICGに所属するマイケル・コブリグ氏が北京訪問中に国家安全省の北京局により拘束されたと発表。拘束後、同氏に関する情報は得られず、健康状態と安全性を確認するため領事が接触できるよう取り組んでいると資料で説明した。2016年9月までの2年間、コブリグ氏は北京と香港でカナダの外交官として働いていた。

  中国紙、新京報はコブリグ氏の拘束が国家の安全に絡んだ調査に関連していると同日報じた。中国外務省の陸慷報道官は北京での記者会見でコブリグ氏拘束についてコメントせず、質問はICGにするよう求めた。その上でICGは中国で非政府機関(NGO)として登録されていないと説明し、「中国の法律と規制に従う限り、他国やさまざまなセクターの人々による中国訪問をわれわれは歓迎する」と述べた。

  香港を拠点とするリスクコンサルタントは、孟CFO逮捕以降、多国籍企業が幹部の北京出張に神経質になっているとブルームバーグ・ニュースに今週述べたが、国家安全省の関与はこうした懸念を強めることになる。活動実体がはっきりしていない同省は習近平国家主席が最近強化した国家安全関連法の下でほとんど制約のない権限を有している。

  米中央情報局(CIA)の元アナリストで今は共産主義犠牲者記念財団の研究員をしているピーター・マティス氏は「国家安全省の職員がコブリグ氏を拘束しているのであれば、スパイ・転覆活動を標的にしている公算が大きい」と述べた。

  ICGのロブ・マレー最高経営責任者(CEO)は電子メールで、コブリグ氏は「違法活動に関与しておらず、中国の国家安全保障を危うくすることは何もしていない」とコメント、「客観的かつ公平なリサーチを請け負うというICGの全てのアナリストがすることをしていた」と説明した。

  政治環境が不透明な中国では、情報収集の一環と解釈される恐れのある活動が必要となり、中国で事業をしている大半の外国人は広範な国家機密保護規定に抵触するリスクを抱える。外交官もしくはジャーナリストに付与される査証(ビザ)による保護のないICGなどの非営利団体は特にそうした懸念が大きい。

原題:China Spy Agency Detains Ex-Canadian Diplomat as Feud Brews (2)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE