華為CFOの引き渡し、トランプ氏が阻止すれば深刻な影響も

  • 大統領は孟CFOの件に介入する可能性に言及
  • 米司法制度を弱め、海外にいる米国人を危険にさらす恐れ

トランプ米大統領は華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)の米検察当局への引き渡しを阻止すれば中国との通商取引を有利に進められると考えているようだが、そのような行為は米司法制度を弱め、海外にいる米国人を危険にさらす恐れがある。議会の批判を招くことは言うまでもない。

  11日のロイター通信とのインタビューでトランプ大統領は、対中貿易交渉に影響を与え得ると考えられるなら孟CFOの件に介入することを示唆した。この発言に一部の米議員や元政府当局者は反発。他国の政府からも警戒の声が聞かれた。

監視を受けながら自宅を出る孟CFO(12月12日)

写真家:Ben Nelms / Bloomberg

  トランプ大統領は国家安全保障の観点から決断を下すとし、中国と進めている交渉はまとまれば「過去最大規模の通商合意となることが確実」であり、「極めて重要だ」と指摘した。

  元連邦検察当局者によると、トランプ大統領は最高責任者としてこの件に介入する権限があるが、検察による孟CFOの引き渡し手続きを阻止すれば、他国が政治・経済的な交渉に利用するため米国民を拘束する事態を招く恐れがあるほか、将来の引き渡し要請で米国の立場を弱めかねない。

  議員も懸念を表明している。米上院のクリス・バンホーレン議員(民主、メリーランド州)は孟CFOの逮捕とトランプ大統領の貿易交渉を結び付けることについて、「法律ではなく貿易や関税を巡る争いが原因で人々が拘束されるような世界に向かうとすれば、非常に危険な道だ」とインタビューで語った。

  マルコ・ルビオ上院議員(共和、フロリダ州)も、トランプ氏がこの件に介入すれば「ひどい間違い」になるだろうとし、「通商政策とは無関係だ」と述べた。

  犯罪者・容疑者の引き渡しに関する法律を専門とするカナダのダルハウジー大学のロバート・カリー教授は、孟氏の逮捕が「政治的なものだとの主張を裏付ける証拠として、弁護士がトランプ氏の発言を利用することも可能だ」と電子メールで指摘した。

  カナダのフリーランド外相は12日の記者会見で、トランプ氏の発言が孟CFOの件に影響を及ぼす可能性があることを認め、「孟氏の弁護の一環として、米国で発せられたコメントを取り上げることを選択するかどうかは孟氏の弁護士が決めることだ」と語った。

原題:Trump Can Stop Huawei Extradition, But Not Without Consequences(抜粋)

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