メイ英首相続投へ、与党信任-党首として次期総選挙は戦わず

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  • メイ氏は批判勢力を安心させるために必要な譲歩をしたと匿名の閣僚
  • 議会での政権への信任投票や近い将来の総選挙につながるとの見方も

Theresa May, U.K. prime minister.

Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg
Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

英与党保守党が12日夜実施した下院議員による信任投票の結果、メイ党首(首相)が信任された。勝利したとはいえ、かなりの数の議員が不信任を表明しており、欧州連合(EU)離脱を控えた重大局面で、首相の立場への打撃は避けられない。

  無記名で行われた信任投票ではメイ首相への支持が200票、不支持は117票だった。首相が今回勝利したことで、反対派は少なくとも今後1年は信任投票によってメイ氏の追い落としを目指すことができなくなる。だが同時に3分の1を上回る議員が、メイ氏に首相であってほしくないと考えている状況が浮き彫りになった。ポンド相場は投票を控えて上昇していたが、予想よりも不支持の票数が大きかったと受け止められたことで、上げ幅を縮小した。

  信任投票の実施に伴い、メイ首相もかなりの犠牲を強いられた。首相は自分に批判的な保守党メンバーとの内々の会合で、2022年までに行われる次期総選挙に党首として臨まないと明言したと同席した複数の関係者が明らかにした。このような譲歩は、EU離脱が実現する過程で、メイ氏が引き続き英国のかじ取りを担うことを目指すものといえる。

  メイ首相は首相官邸の前でテレビカメラに向かい、「支持を感謝するが、かなりの数の同僚が私に不信任票を投じた。彼らの主張に私は耳を傾けている」と述べた。

  ハンコック保健・社会福祉相はスカイニューズとのインタビューで、「本心では次期総選挙を戦いたいと望んでいるが、それができないことは承知していると首相は話した。それについて彼女はかなり感情的だった」と発言。メイ政権がいつまでも続かないと批判勢力を安心させるためには必要な譲歩だったと別の閣僚も匿名を条件に語った。

  一方、メイ首相が当面どうなるかという問題が決着したとしても、一時的な猶予で終わる可能性が高い。EUが決定した英国との離脱合意案は議会の厳しい反対に直面し、EUからより良い条件を引き出す試みもこれまでのところ成功していない。

  保守党で離脱推進派のマーカス・フィッシュ下院議員は「首相が勝っても大きな違いはない」と主張。メイ政権を閣外協力で支える北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)に言及し、「彼女はDUPを制御できず、それは政権に対する信任投票や近い将来の総選挙につながる。われわれは首相の離脱案を支持するつもりはなく、実際問題として彼女は続けることができない」との見方を示した。

  最大野党・労働党は、メイ政権の信任投票を議会で求め、解散・総選挙に追い込むことを目指すかどうか検討しているもようだ。与党保守党内の批判勢力に首相が勝利したことで、逆に野党の攻勢にさらされやすくなるとすれば、皮肉な結果といえよう。

原題:May Survives Confidence Vote to Face Uphill Struggle in Brexit(抜粋)

(予想される最大野党・労働党の動きなどを追加して更新します.)
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