メイ英首相の賭け、合意なき離脱近づけば議員の取り込み可能と読む

  • 首相は独とオランダを訪問、メルケル首相らと会談
  • 離脱自体がなくなることを恐れるとフォックス国際貿易相

メイ英首相

Photographer: Andy Rain/EPA
Photographer: Andy Rain/EPA

メイ英首相は否決確実の離脱案採決に直面する中で、合意なき離脱が刻々と近づけば一部議員が首相の離脱案支持に回るという可能性に賭けているようだ。

  ゴーブ英環境・食料・農村相が離脱案の議会採決は11日に実施されると主張してから24時間もたたないうちに、採決は1カ月余り先に延期された可能性が高いとみられている。議会は今月20日に休会に入り、来年1月7日に再開される。英国は合意のあるなしにかかわらず、3月29日に欧州連合(EU)を離脱する。

  メイ首相を支持する閣僚の1人は匿名を条件に、離脱案が今回議会で承認されないならメイ首相は協議を続けるしかないと発言。EU首脳とは、より良い提案を得られるのではないかと期待して話し合い、英議員らとは彼らが要求を控えるのではないかとみて討議することになると説明した。

  実際、メイ首相は11日に予定されていた定例閣議を延期し、オランダのルッテ首相とハーグで会談する予定。その後、メルケル独首相ともベルリンで協議する。

  議員らの説得という点では、下院が議会承認の期限である1月21日に他の選択肢の採決を行う可能性があることから、与党・保守党内の離脱派が結束し得ると同閣僚は語った。

  過半数の賛成票を得られる可能性が高いのはEUとの関係維持や、離脱先延ばしだ。メイ首相は議員らに、自身の離脱案を支持しなければ離脱がなくなるリスクがあると訴える。

  問題は、議員らがメイ首相を信じるかどうかだ。現時点で極めて多くの議員が、たとえメイ首相が合意離脱案の修正に同意できたとしても、離脱案反対を撤回するのは非常に難しいと述べている。

  EU離脱とメイ首相の双方を支持するフォックス英国際貿易相はBBC放送の番組「ニュースナイト」のインタビューで、「私が最も恐れているのは離脱自体がなくなることだ」と発言。議会ではEU離脱反対が多数を占めているため、「実質的にEU離脱ができない、どっちつかずの状態に陥る」恐れがあると指摘した。

  メイ首相はクリスマス期間中に議員らが、合意なき離脱を心配する有権者からも圧力を受けることを期待している。こうした圧力により、保守党だけでなく労働党の親EU派議員の一部がメイ首相の離脱案支持に回る可能性がある。しかし結局のところ、保守党内の離脱強硬派のかなりの部分を取り込まない限り、必要な票数は得られない。

原題:May Gambles Running Down Brexit Clock Will Focus Political Minds(抜粋)

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