TOPIXが年初来安値、景気不透明感や商品市況安-輸出や金融安い
長谷川敏郎
更新日時
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アジア時間11日の米国株先物は軟調推移、昨日の原油先物は3.1%安
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小型株が相対的に売られる、米中協議で下げ縮小も長続きせず

11日の東京株式相場は続落し、TOPIXは1年半ぶりの安値に沈んだ。景気の先行き不透明感や商品市況安から電機など輸出関連、石油・石炭製品や鉱業、非鉄金属が売られた。米国の金融株安や金利低下懸念から銀行や保険など金融株も安い。
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10日の米国株市場ではS&P500種株価指数が大幅安後に小反発で終了したものの、金融は下落。アジア時間11日の米S&P500種Eミニ先物は軟調に推移した。10日のニューヨーク原油先物は3.1%安。
りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは「株式相場が天井を打ったのか、一時的な小休止なのか決着はついていない。来年前半の中国経済など次第でどちらにも転ぶ可能性がある」とした上で、「米中貿易問題など軽々に判断できない不安要因が多く、買い手がいない」と述べた。
中国の劉鶴副首相がムニューシン米財務長官やライトハイザー通商代表部(USTR)代表ときょう午前、電話で貿易問題について協議したことが明らかになると、株価指数は下げ幅を縮小したが、長続きしなかった。東洋証券の檜和田浩昭投資調査部長は「国内投資家は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融スタンスを確認したいとして買い見送りスタンス。株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出を控えていることもあり、短期的な先物売買が中心の動き」とみていた。
TOPIXの規模別指数でコア30が0.4%安、ミッド400が1%安に対し、スモールは1.7%安、東証マザーズ指数は2.7%安と相対的に小型株の下げが大きかった。国内では税制の節目となる年末が接近する中、ソフトバンクなどの新規株式公開(IPO)のラッシュが到来し「個人中心に売りが出やすい」と黒瀬氏は指摘した。

- 東証33業種では石油・石炭製品、鉱業、機械、パルプ・紙、鉄鋼、非鉄金属、電機などが下落率上位
- 情報・通信や空運、小売は上昇
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