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ゴーン被告の起訴、仏ルノーに難しい決断迫る-その5つの背景

ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)

ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg
ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)
Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg

フランスの自動車メーカー、ルノーはカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)が日本で起訴されたことを受け、いまや大きな決断を迫られている。

  ゴーン被告(64)は10日、当初の逮捕事実とは異なる期間の報酬過少記載で再逮捕された。捜査の進展で、ルノー取締役会の立場は一段と難しくなった。

1. ルノーがゴーン被告を役職にとどめている理由は何か

  ゴーン被告は日産と三菱自動車の会長職を解かれたが、依然ルノーの会長兼CEOにとどまっている。ルノーの最も強力な株主であるフランス政府は、有罪が証明されるまでゴーン被告は無実だと見なされるべきだと強調、日産にすべての証拠の共有を要求している。フランス側には、日産内部やルノー・日産・三菱連合の権力闘争が今回の捜査の裏側にあるとの疑いもある。

2. 起訴と再逮捕でゴーン被告の立場はどの程度弱まったか

  起訴と再逮捕でゴーン被告の勾留が当面続く公算が大きくなり、ルノー取締役会には長期的な経営陣変更を検討するよう圧力が加わる。ブルームバーグニュースが報じたところでは、取締役会では意見の相違が表面化しつつあり、ゴーン被告の穴を一時的に埋める措置よりも、もっと恒久的な解決策を模索するメンバーもいる。取締役会の一員である強硬派の労組、CGTはゴーン被告の評判に傷が付いたとして、抜本的な変革を求めている。

3. フランス政府はどのような役割を演じるのか

  企業幹部の高額報酬に対しては、過去にもフランス市民の怒りが燃え上がった。不平等と生活苦を訴える「黄色いベスト運動」が1カ月前から続いているタイミングもあり、国内トップクラスの高給取りであるゴーン被告を助けるような行動は、マクロン政権にとってとりづらいかもしれない。

4. 今後の展開はどうなるのか

  検察が追加の容疑を捜査している間、ゴーン被告は拘置所にとどまる公算が大きい。日本では一般的に起訴後40日から50日の間に裁判が始まる。検察官がこれまでに述べたところによると、有罪となれば最長で10年の実刑が下される可能性がある。一方で、ルノーはゴーン被告ら最高幹部の報酬について独自調査を実施し、今週中に最初の結論に至ることを目指している。

5. 市場の反応はどうか

  10日のパリ市場でルノーの株価は一時5%を超える下げとなり、ゴーン被告が逮捕される前日からの下落率はおよそ14%に達した。日産は東京市場で2.9%安。ルノーにとってはゴーン被告の逮捕前から、米中貿易戦争や排ガス基準の厳格化、電気自動車や自動運転車への支出増加といった圧力が経営陣にかかっていた。株価は年初来で約34%下げている。

原題:Why Ghosn’s Indictment Means Difficult Decisions for Renault(抜粋)

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