カルロス・ゴーン前日産会長らと法人の日産を起訴-報道

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  • 有価証券報告書に報酬を過少に記載、法人としての日産も起訴
  • アライアンスを組む仏ルノーとの関係変化が今後の焦点に

カルロス・ゴーン容疑者

Photographer: Christophe Morin/Bloomberg
Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

東京地検は10日、有価証券報告書に報酬を過少に記載したとして日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)と同社前代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)を金融商品取引法違反の罪で起訴した。地検は法人としての日産も起訴し、両被告に関しては直近3期分の虚偽記載容疑で再逮捕した。

カルロス・ゴーン前会長

Photographer: Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

  地検の発表資料によると、両被告は2011年3月期のゴーン被告の報酬や賞与などが約17億7700万円であったにもかかわらず、9億8200万円と記載した有価証券報告書を同年6月に関東財務局長に提出した。同様に12年3月期から15年3月期の報酬などに関して、約80億7800万円だったのに40億500万円と記載するなど重要事項について虚偽の記載のある有価証券報告書を提出した。

  ゴーン被告とケリー被告に関しては、16年3月期から18年3月期までの期間のゴーン氏の報酬総額が約71億7400万であったにもかかわらず、29億400万円と記載した有価証券報告書に記載した疑いで再逮捕した。

  東京地検の久木元伸次席検事は会見で、同じ法律違反の容疑で2度逮捕することについて、「適正な司法審査を経て再逮捕に至った」と説明した。ゴーン被告らに対してさらに勾留請求するかについては、一般論として検察の逮捕後48時間以内に勾留請求の判断を行うとした上で、請求をいつ行うかの質問についてはコメントを控えるとした。

  日産は、「この事態をきわめて重く受けとめて」いるとのコメントを発表。証券市場での開示情報の信用性を大きく損なうもので、関係者におわびするとともにガバナンスの強化に努め、コンプライアンスを順守した経営に努めるとした。役員報酬として本来開示すべきだった額などを精査中で、内容が確定次第、過年度の有価証券報告書などの訂正報告書を財務当局に提出するとした。

  両被告は11月19日に東京地検に逮捕され、東京拘置所に勾留されている。日産は22日の臨時取締役会で全会一致で2人の役職を解任、早ければ今月17日の取締役会で、後任会長を決める方針。

  金商法違反では個人では最高10年の懲役か1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。法人に対しては7億円以下の罰金が科せられる。 

ルノーの出方は

 
  企業連合を組む仏ルノーとは約20年にわたって協力関係を続けてきたが、ゴーン被告は兼務していたルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)の座にはとどまっており、今後はアライアンスの協力関係がどう変化するかが焦点となる。

  複数の関係者によると、ルノーの幹部らは今回の一連の動きの背景にある日産の動機について疑念を持っており、ゴーン被告の疑惑に関する証拠の閲覧を求めている。日産はゴーン被告の逸脱行為を要約したプレゼンテーションを提示したが、ルノーはそれを拒否し、弁護士の同席と疑惑に関する報告書の全体を求めた。

  ルノーの広報担当によると、同社取締役会が要請している証拠について日産は提示していないと述べた。関係者らによると、ルノーは今後約1週間でゴーン被告や他のルノー幹部への報酬パッケージが適切に株主に対して開示されたかについての内部調査の最初の結論に到達することを目指している。

  ゴーン被告について証券取引等監視委員会は同日、ケリー被告と日産とともに金融商品取引法違反容疑で東京地検へ告発したと発表した。

(東京地検や日産のコメントや対応を追加します.)
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