7-9月期GDPは年率2.5%減に下方修正-設備投資落ち込む

更新日時
  • 個人消費は前期比0.2%減、設備投資は同2.8%減に下方修正
  • 景気の足踏み感の強まりを改めて確認-第一生命経済研の新家氏
Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg
Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

7-9月期の実質国内総生産(GDP、改定値)は、設備投資を中心に速報値から下方修正された。減少幅は市場予想を上回り、前回の消費増税後の2014年4-6月期(7.3%減)以来の大きさとなった。10月の経常収支の黒字幅は対前年比で4カ月連続縮小した。内閣府と財務省がそれぞれ10日発表した。

キーポイント

  • 7-9月期GDPは前期比0.6%減と速報値(0.3%減)から下方修正(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.5%減)
  • 年率換算は2.5%減と速報値(1.2%減)から下方修正(予想は2.0%減)
  • 個人消費は0.2%減と速報値(0.1%減)から下方修正(予想は0.1%減)
  • 設備投資は2.8%減と速報値(0.2%減)から下方修正(予想は1.8%減)
  • 10月の経常収支は前年同月比40.1%減の1兆3099億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は1兆2627億円の黒字)ー黒字幅は4カ月連続縮小
  • 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3217億円の赤字(予想は2654億円の赤字)-2カ月ぶり赤字

詳細

  • GDPの内外需の寄与度は、内需がマイナス0.5ポイント(速報マイナス0.2ポイント)、外需がマイナス0.1ポイント(速報と同じ)
  • 民間住宅は前期比0.7%増(速報0.6%増)
  • 公的固定資本形成は2.0%減(同1.9%減)
  • 国際収支は油価上昇で貿易収支が2カ月ぶり赤字転化。サービス収支は赤字幅拡大、研究開発やバックオフィス業務での海外委託増-財務省担当者

エコノミストの見方

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

  • GDP改定値は市場予想を下回り、景気の足踏み感が強まっていることが改めて確認された
  • 個人消費や設備投資などが自然災害による悪影響を受けたとみられる。とはいえ、足元の景気停滞の理由を自然災害だけに求めるのは適当ではない
  • 設備投資のGDPへの寄与度(前期比年率)は改定値でマイナス1.8ポイントと速報値のマイナス0.1ポイントから大幅下方修正され、これで今回のGDP下方修正のほぼすべてを説明可能
  • 実質GDPの前年比は17年10-12月期にプラス2.4%に達したが、1-3月期はプラス1.2%、4-6月期はプラス1.4%、7-9月期は0.0%と今年に入り減速が鮮明。自然災害の発生前から既に鈍化していることが確認できる
  • 10-12月期に年率プラス2%の高い成長を実現しても、前年比ではプラス0.2-0.3%で景気が停滞している状況は変わらない。ならしても景気は明確に減速

浜銀総合研究所の北田英治調査部長:

  • 予想を上回る下方修正だった。今後は災害の部分は解消され、10-12月期の設備投資はプラスになると思う。ただ先行き不透明感はむしろ強まっており、慎重に見ておかないといけない
  • とにかく設備投資はマインドが重要。今度の日銀短観の設備投資計画では、統計の癖からまだ強いと思うが、先行きは当初計画より慎重になってくるだろう
  • 個人消費は天候不順で外出が抑制されたりしたため、振れている。このマイナスが基調とは思わないが、個人消費が強いわけではなく、すごく緩やかな回復。だからこそ災害などがあるとすぐマイナスになってしまう

みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミスト:

  • 予想していたよりは弱い印象だが、これを受けて世の中の見方ががらっと変わるようなことは多分ない。10-12月でリバウンドの幅に注目がシフトしていくと思う
  • 設備投資のマイナスは、ならしてみればまだ分からないという言い方はできるだろう。個人的には輸出や生産が弱くなってきているとみている
  • GDPギャップはマイナスになるだろう。これは恐らく16年10-12月以来。7四半期ぶりのマイナスのGDPギャップになるので、少なくとも日銀どうこうの前にデフレ脱却宣言は難しいと思う

背景

  • 財務省が3日発表した7-9月期の法人企業統計では、GDP改定値に反映されるソフトウエアを除く設備投資が前年同期比2.5%増と、自然災害の影響から11年ぶりの高い伸び率だった前期(14%増)から減速。季節調整済みの前期比は4.0%減と5四半期ぶりにマイナスへ転じる中、GDPベースの設備投資は下方修正されるとの見方が強かった
  • 先月10日発表の7-9月期GDP速報値は、相次ぐ自然災害に伴う供給制約や消費マインドの低下が個人消費や外需を押し下げ、2四半期ぶりのマイナス成長。茂木敏充経済再生担当相は発表後の会見で、景気は緩やかに回復との認識に変わりないとしながらも、通商問題の世界経済への影響や海外経済の不確実性などに留意する必要があると語っていた
(リードに情報を追加し、あらたなエコノミストコメントを入れて更新しました.)
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