日銀ETF購入、今年6兆円超で記録を更新-「日銀頼み」日本株

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  • 秋以降の株価調整で買い入れ積極化、7日は0.03%安でも実施
  • 今年は12月11日までに6兆678億円購入、突出した買い主体
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行の上場投資信託(ETF)年間買い入れ額が今年、初めて6兆円を上回って過去最高に膨らんだ。日本株は企業業績が堅調ながらも外国人を中心に大幅売り越しとなったためで、相場下支えで再び「日銀頼み」の1年となった状況が浮き彫りとなった。

  日銀は11日、通常のETFと「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」のETFを買い入れ、年初からの買い入れ額は計6兆678億円に達した。これまでの年間買い入れ額最高は2017年の5兆9033億円だった。

日本銀行本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  それでもTOPIXは年初来で13%下落、11日には1年半ぶり安値となり日銀以外の買い手不足を物語っている。東京証券取引所の投資部門別売買動向(東証、名証2市場の合計)によると、ことし11月までに外国人は4兆5989億円と年間売越額がブラックマンデーの1987年以来の大きさとなっており、個人も3364億円売り越した。買い越しは事業法人の2兆3014億円、信託銀行9089億円、投資信託8959億円にとどまり、日銀の購入額は突出している。

  ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは「日銀はリスクが高まっているときやセンチメントが悪化している際に買い入れを行っている。企業の自社株買いと同様に株価が下がったところで買うのが基本」と指摘。「日銀が買っているのに株価収益率(PER)が割安な日本株が上がっていないということは、それだけ地合いが悪いということだ」と述べた。

  日銀は金融緩和拡大でETF購入額を16年7月にほぼ倍増。それ以降、保有残高が年6兆円に相当するペースで増加するよう買い入れてきたが、今年7月は「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」と方針を微調整した。その翌月の購入額が1682億円と17年10月以来の少なさとなったことから、緩和縮小に向けたステルステーパリングではないかとの見方も浮上した。

  だが、株価下落基調が強まった10月には8700億円と一転して月間最高額に転換。さらに市場に意外感を与えたのはETFを買う際のTOPIXの下落率だった。11月22日は午前のTOPIX終値が前日比0.06%安、12月7日は同0.03%安と17年4月17日の0.01%以来の小ささで購入するなど、積極的な買い入れ姿勢が目立った。

年6兆円ペースに到達へ

出所: 日銀

注: 12月10日時点

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は7月の方針の微調整は「6兆円の枠の話ではなくて、買いのタイミングをフレキシブルにするということ」だとした上で、1000億-4000億円程度なら約6兆円という文言の範囲内で超えることも可能だと分析。「誤解があるのは、勝手にあの金額自体を増やしたり減らしたりできると考えていること。夏ごろに出たステルステーパリング論は都市伝説」だと付け加えた。

ステルステーパリング議論に関する記事はこちらをご覧ください

  日本企業の業績に照らすと、日本株は割安なままだ。大和証券の試算では18年度の主要企業(金融除く大和200ベース)経常利益は前期比9.8%増と、3年連続で過去最高益を更新する見込みだが、日本時間11日夕方時点でTOPIXのPERは12.5倍と、米S&P500種株価指数の16.1倍、欧州ストックス600指数の13.1倍を下回る。

  日銀の黒田東彦総裁は先週、衆院財務金融委員会で「2%の物価目標の実現になお時間がかかることを踏まえると、ETFの買い入れを含む金融緩和からの出口のタイミングやその際の対応を検討する局面にはまだ至っていない」と述べた。  

(ETFの買い入れ額や市況を11日時点に更新します.)
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