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来年ユーロは円に対して下落が鮮明か、高値圏のドルも軟調見通し

  • 政治不安が引き続きユーロ圧迫、過小評価の円は上昇へ-みずほ銀
  • 世界的景気減速や日米通商懸念、実質金利上昇も円を押し上げ
General Images of Banknotes

Photographer: Kiyoshi Ota / Bloomberg

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ユーロは今年に続き来年も、円に対して下落する可能性が高い。欧州では政治不安を背景に相場の波乱が見込まれ、割安に放置された状態にある円は上昇余地が大きいとみられるためだ。一方、既に高値圏にあるドルは、利上げサイクルの停止が意識され、ユーロとの関係では強弱が見えにくくなりそうだ。

  みずほ銀行は来年のユーロ・円のレンジの下限を1ユーロ=118円と、2017年4月以来のユーロ安水準まで想定している。唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、「来年も欧州の政治要因がユーロの重しとなるが、ドルの方が高いところから落ちてくる分、ユーロが相対的に高くなる」と説明。一方、実質実効ベースで主要通貨中最も過小評価されている円は強くなりやすく、ユーロ安・円高が進むとみている。

欧州政治不安や景気減速で2018年は下落

  イタリアの財政赤字問題など欧州の政治不安を背景にユーロは対円で年初から5%下落。今年9月までに3度の利上げを実施した米国のドルに対しては、6%以上落する局面があった。

  来年も3月末に予定されている英国の欧州連合(EU)離脱や、反EU勢力の拡大が警戒される5月の欧州議会選挙など、ユーロの重しとなる要素は多い。欧州中央銀行(ECB)は年内で資産購入を終了させる方針だが、来年夏以降としている利上げについては景気見通しの悪化からすでに懐疑的な見方が出ている。

  ドルを支えてきた利上げも、今月の実施はなお6割程度織り込まれている一方、来年は利上げペースが鈍化するとの見方が台頭。政策金利が中立金利に近づく中で、利上げの早期停止の可能性が意識され始めている。 

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、ECBは来年利上げできない可能性があるが、米国の利上げも来年後半に打ち止めとなると予想。高水準にある米金利の方が低下幅が大きくなるため「金利面ではユーロ安・ドル高になるとも言えない」と指摘する。世界的な景気減速によりリスク回避の円高圧力が強まり、ユーロ・円は19年終盤にかけて最大120円まで下落すると予想している。

  総合的な通貨の実力を示す実質実効為替レートを見ると、円は過去20年の平均を2割下回っている。一方、ドルは同平均を1割超上回り、ユーロは平均付近にある。

  三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、ユーロも円も対ドルで強くなるが、ユーロと円では円が若干強いと予想。ECBは、来年金融政策の正常化に取り組み、日本銀行も金融緩和の副作用軽減を目的に長期金利の小幅上昇を容認するが、日本の金融政策の方がサプライズ感があるとみる。加えて、来年は日米通商摩擦による円高観測や、世界的な景気減速で期待インフレ低下による実質金利上昇という「伝統的な円高材料が復活する可能性が高い」との見方を示した。

  FPG証券の深谷幸司社長は、来年は政治面や財政面、景気の面から「欧州発のリスク回避が大きくなる可能性がある」と指摘、「一番目立つのはユーロ・円で、なるとしたら円高だろう」と予想した。

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