日銀総裁、個別株への影響は市場関係者のセールストーク-ETF購入

訂正済み
  • 具体的に個別銘柄に大きな影響を与えることにはなっていない
  • 株式市場の価格形成や機能度に大きな歪みもたらしていることはない

日本銀行の黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行の黒田東彦総裁は7日の衆院財務金融委員会で、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の購入が個別銘柄に大きな影響を与えているとの見方を否定した上で、そうした指摘は株式市場関係者の「セールストーク」であるとの認識を示した。

  黒田総裁は「株式市場の関係者はいろいろと(影響を)与えているとか、それをセールスポイントにしていろいろなことを言っている人がいるが、私どもの見るところではセールストークであって、具体的に個別銘柄に大きな影響を与えることになっているとは思ってない」と述べた。

  丸山穂高氏(日本維新の会)が、日銀のETF購入により間接的に「ファーストリテイリングは2017年時点で15.8%、浮動株だけで見れば63%保有している。個別銘柄への影響は非常に大きいものがある」と質問したことに答弁した。

  日銀は保有残高が年間約6兆円に相当するペースで増加するようETFを買い入れている。10月末の金融政策決定会合では「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうるものとする」ことを決定した。

  黒田総裁は「ETFの銘柄についての情報は市場に不測の影響を及ぼしえるため公表しない」とした上で、「TOPIXのシェアを高める等を通じて、個別銘柄への影響を極力排除する形で行っている」と言明。買い入れを委託している信託銀行が「適切な株主権を行使しており、コーポレートガバナンス(企業統治)に大きな影響が出ると思ってない」とも語った。

  ETF購入の効果については「特定の株価水準を目的にやっているわけではないが、株式投資リスクに対する懸念が低下し、リスクプレミアムへの働き掛けを通じて株価への影響も出ている」と述べた。一方で、「日銀の保有額は株式市場の時価総額の4%程度にとどまっている」として、株式市場の価格形成や機能度に「大きな歪みをもたらしていることはない」との見方を示した。

  ETF購入の出口については「2%の物価目標の実現になお時間がかかることを踏まえると、ETFの買い入れを含む金融緩和からの出口のタイミングやその際の対応を検討する局面にはまだ至っていない」と述べた。

(7日配信の記事中、1段落目の日付を訂正しました。.)
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