日銀総裁、海外リスク「深刻化する恐れも」-必要に応じ適切に対応

訂正済み
  • 最も大きなリスクが貿易摩擦のアジア、世界経済への影響
  • 白川前総裁の著書での主張に「全く無意味な議論」と反論

日本銀行の黒田東彦総裁は6日の参院財政金融委員会で、米中間の貿易摩擦など海外経済を巡るリスクが「深刻化する恐れもある」とし、必要に応じて適切に対応していく考えを示した。

  黒田総裁は「海外経済を巡る不確実性が増している」と指摘。「最も大きなリスクが貿易摩擦のアジア、世界経済への影響」と述べた。その上で、「海外経済を巡るリスクは注意深く点検し、必要に応じ適切な対応を取っていきたい」と語った。

黒田東彦日銀総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  2019年10月に予定される消費増税については、14年4月の増税に比べ「影響は小幅のものにとどまる」としながらも、「不確実性は残るので、よく注視して適切な対応を取っていきたい」と述べた。

  6日の東京株式相場は大幅に3日続落。カナダ当局が華為技術の最高財務責任者(CFO)を逮捕したことで、米中関係の悪化が警戒され、電機や機械など中国関連中心に全業種安い。東京外国為替市場では、リスク回避の動きから円が全面高となっている。

  黒田総裁は、追加緩和余地を作るために金利を引き上げるべきではないかとの主張に対して、「今直ちに、将来の緩和の余地を残すため、まだ物価目標が達成されてない段階で金利を引き上げることは、むしろ物価目標の実現を遠ざけることになりかねない」と述べ、否定的な見解を示した。

  追加緩和の手段に関しては、「短期政策金利の引き下げや長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリーベース拡大ペースの加速などが抽象的には考えられる」と説明した。もっとも、「現時点では、今の大幅な緩和を粘り強く続けることによって、物価上昇率は徐々に2%に近づいていく」と従来の見解を繰り返した。

  白川方明前総裁が10月に出版した著書「中央銀行」で、金融緩和政策は需要の先食いであり、効果は長続きしないと主張したことについて問われると、「マクロ政策をすべて否定する議論で、全く無意味な議論だ」と色をなして反論する場面もあった。

(6日配信の記事中、1段落目の日付を訂正しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE