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メイ英首相、打開策探る-離脱強硬派との懸命な交渉続く

  • 「パーラメント・ロック」が譲歩案として浮上か
  • このまま行けば11日の採決で離脱案は否決される見通し

メイ英首相は来週の議会採決で自身の欧州連合(EU)離脱案が否決される事態を回避するため、妥協策を探っている。

U.K. PM Theresa May's Government Faces Contempt Vote Over Brexit Legal Advice

メイ英首相

フォトグラファー:Simon Dawson / Bloomberg

  メイ首相は5日遅く、ジュリアン・スミス下院院内幹事長を保守党内の離脱強硬派「欧州調査グループ(ERG)」との交渉に当たらせた。スミス幹事長は合意を通じて同グループを首相の離脱案の支持に回らせることを目指す。メイ首相自身も保守党内の強硬派らと自らのオフィスで話し合いを持ってきた。当局者によれば、これらの協議は「生産的」だったという。こうした首相の協議は6日も続く。

  メイ首相が至ったとされる譲歩案は、アイルランドとの国境を巡る安全策が実施される前に下院が採決を行い、同意することを義務付ける「パーラメント・ロック」という案だ。これは実質的に下院に安全策の拒否権を与えるものだ。離脱案のうち安全策の部分は、英国がEU規則に縛られることになるため、保守党の離脱強硬派が強く反対している。

  メイ首相と離脱強硬派の双方にとって、この交渉の持つ意味は大きい。メイ首相にとっては、自身の離脱案否決は退陣につながる可能性があり、一方、離脱強硬派らは採決後の混乱でEU離脱が危機にひんすることを恐れている。

  保守党離脱派の1人、エドワード・リー議員はインタビューで、「われわれは板挟みになっている。離脱が実現できない恐れがある」とした上で、「来週の採決でどうするか決められないでいる。今後数日中に政府が打開策を打ちだすと期待している」と語った。

  メイ首相は保守党内の離脱強硬派を取り込めない場合は、自身の離脱案ばかりか、首相職までもが危うくなりかねない。現状では、保守党議員100人や北アイルランドの民主統一党(DUP)議員10人を含め全党から反対を受け、11日の採決での惨敗は免れない見通しだ。

  否決の場合、メイ首相の先行きは不透明になる。労働党は内閣不信任案を提出すると明言しており、保守党内でもメイ首相降ろしが画策されている。そしてメイ首相には明確な予備のプランがない。

原題:May Hunts for ‘Lifeboat’ to Stop Parliament Sinking Brexit Deal(抜粋)

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