トランプ大統領の側近2人、習主席との「合意」の説明に四苦八苦

更新日時
  • 中国側は136兆円規模の追加購入を提案-ムニューシン米財務長官
  • 中国は「公約」をしたとクドロー国家経済会議委員長
Donald Trump, Xi Jinping, and members of their delegations during their bilateral meeting on Dec. 1. Photographer: Pablo Martinez Monsivais/AP Photo
Photographer: Pablo Martinez Monsivais/AP Photo

トランプ米大統領が2日、中国による自動車関税引き下げ・撤廃の同意があったとツイートしたのを受け、側近の2人は翌3日に苦しい説明に追われた。ただ、対中合意の文書は存在せず、中国政府は合意を確認していない。

ホワイトハウスの外でメディアに説明するクドロー氏

写真家:Andrew Harrer / Bloomberg

  ホワイトハウスは合意について追加情報を発表しておらず、トランプ大統領の短いツイートから数時間後に北京で行われたブリーフィングで外務省報道官は自動車関税の変更に関するコメントを控えた。

  ムニューシン財務長官とクドロー米国家経済会議(NEC)委員長は3日、中国との合意について質問され、期待値を下げる発言を行うとともに、新たな説明を加えた。

  クドロー氏はホワイトハウスの公式ブリーフィングで、「現時点で私はこれを『公約』と呼ぼう。公約は必ずしも貿易合意ではないが、中国側が検討し、恐らく実行するものだ」と述べた。

  一方、ムニューシン長官はホワイトハウスで記者団に対し、「われわれは両首脳の合意を向こう90日間で本当の協定にするという明確な理解が存在すると思う」とした上で、「私は習近平国家主席のトランプ大統領に対する言葉、約束をそのまま信じている。しかし中国は約束を果たさなければならない」と述べた。同長官は中国の正確な公約内容に関するコメントを控えた。

  自動車関税を巡る不透明さは、トランプ大統領が前もって詳細を詰めずにとにかく合意を取りまとめようとしたことによるリスクを明確に示した。米中首脳会談後に共同声明が発表されなかったため、自動車関税を巡る混乱は悪化した。金融市場はいまだに、大統領が大勝利と呼んだ首脳会談を消化できずにいる。

  戦略国際問題研究所(CSIS)の中国研究員、ボニー・グレイザー氏は米中首脳会談前に細部の交渉が詰めらなかったため幅広い大筋合意にとどまったと指摘。「われわれが望む結果が得られる保証はなく、リスクが高い」と述べた。

  中国政府当局者に説明を求めたが返答はなかった。ワシントンの中国大使館も回答しなかった。

  しかし、トランプ大統領は米中首脳会談の成果を自画自賛しており、中国は自動車関税の引き下げだけでなく、米農産物購入を直ちに増やすことで合意したと、詳細に触れることなくツイートした。ムニューシン長官はCNBCとのインタビューで、中国側が提案した米農産物などの追加購入規模は1兆2000億ドル(約136兆円)だったと明らかにした上で、この実現のためには細部のさらなる詰めが必要だと強調した。

  中国が将来的に自動車関税をゼロにすると想定している話したクドロー氏は、「これに関する特定の合意はまだない」と語り、トランプ大統領のツイートに矛盾するような発言を行ったが、「その場に臨んだ1人として、関税がゼロになると見込んでいることをはっきりさせたい」と釈明した。

  首脳会談後の米中それぞれの発表資料に自動車関税への言及がなかった点を問われたクドロー氏は、発表資料には言及があり「そうした見解には同意しない」と不可解な答弁を行った。

原題:Trump’s Advisers Struggle to Explain Deal He Says He Cut With Xi(抜粋)

(9段落目に中国による農産物などの購入規模に関する情報を追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE