コンテンツにスキップする

中国:的絞った刺激策、19年も続く公算大-トランプ氏と一時休戦でも

  • 例年12月に開かれる中央経済工作会議、景気減速の制御が主要課題に
  • 一部で利下げ観測も、預金準備率下げやMLF活用継続の可能性高い

習近平中国国家主席とトランプ米大統領はブエノスアイレスで開いた1日の首脳会談で、貿易戦争の一時休戦で合意した。だが、中国景気の減速と国内経済を巡る先行き不透明感を和らげる効果は乏しいとみられ、的を絞った中国の刺激策は2019年も続く公算が大きい。

  ブルームバーグの調査によると、内需はなお減速しており、来年は約20年ぶりの低成長になる見通しだ。強制的な技術移転や知的財産権の保護などを巡る新たな交渉期限が来年3月に設定され、例年12月に開かれる中央経済工作会議にとって景気減速の制御が主要課題になる。

  米ピーターソン国際経済研究所のリサーチフェロー、マーティン・チョーゼンパ氏は「私が中国の政策当局者なら、相当な不確実性が来年も残るとの前提で間違いなく計画を立てる」と指摘。「過度な刺激策を避けながら景気を下支えする方法を今後も慎重に調整していくと考えている」と話す。

  1日の米中合意を踏まえ、想定される主な政策は次の通り。

金融政策

  中国人民銀行(中央銀行)の主要政策金利を巡る予想中央値は変わっていないが、来年の利下げを見込むエコノミストは増えている。

  これまで講じた金融緩和の効果が乏しいことや、米金融当局者による最近のハト派発言が中国の利下げ観測を高めているが、こうした措置に踏み切れば人民元の下落圧力は強まり、金融システム改善に向けた取り組みも難しくなる。だが、休戦ではなく永続的な平和につながる通商合意に至るのであれば、元安圧力は弱まり、人民銀にとっては緩和余地が生じる。

  しかし、人民銀は今後も預金準備率の引き下げや中期貸出制度(MLF)を通じた期間が長めの資金を供給する現行政策を続ける公算がより大きい。

Weak credit shows sluggish demand

財政政策

  財政刺激策の余地はより大きい。中国政府は財政赤字の対国内総生産(GDP)比を引き上げ、主に地方のインフラプロジェクトの資金調達に使われる専項債(特別債)発行枠を広げる可能性が高い。政府支出の前倒しも可能で、指導部は追加減税なども約束している。

Below Target

Government has spent more than it planned since 2015

Source: National Bureau of Statistics; Bloomberg

債務削減

  来年の成長鈍化に伴う1つの結果として、マクロレバレッジレシオの再上昇が考えられる。経済成長率が債務の伸びを下回れば、比率は上向くことになる。

  貿易摩擦を巡る段階的な交渉が実現すれば中国は債務圧縮を現在のペースで続けることができるかもしれない。金融システムのリスク低減を目指すこの取り組みによって、多くの民間企業の資金調達が難しくなっており、長期的な成長を巡る懸念が広がっている。

  米国との貿易・政治的緊張が緩和すれば、中国を巡り国内外の投資家が抱えている懸念の一部は和らぐことになる。

Out of the Shadows

Loans by shadow banks have been curtailed

Source: Bloomberg Intelligence, based on People's Bank of China data

原題:China Stimulus Decisions Loom as Trade Deal Fuels Uncertainty(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE