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7-9月期設備投資は8期連続プラス-生産能力増強投資など寄与

更新日時
  • 設備投資額は前年同期比4.5%増、市場予想の8.5%増下回る
  • 災害要因で下押しも、緩やかな回復基調たどる-日本総研の根本氏

財務省が3日発表した法人企業統計によると、7ー9月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は前年同期比で8四半期連続のプラスとなった。自動車向け素材や建設機械の生産能力増強投資や、オフィスビル建設などが寄与した。ただ、自然災害の影響で、伸び率は11年ぶりの高水準だった前期から鈍化し、市場予想を下回った。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比4.5%増の11兆2784億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は8.5%増)-前期は12.8%増
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同2.5%増の10兆1407億円(予想は10.7%増)-前期は14%増
  • 全産業の売上高は同6.0%増の358兆8846億円-前期は5.1%増
  • 全産業の経常利益は同2.2%増の18兆2847億円-前期は17.9%増
設備投資の推移

背景

  • 7-9月期の実質GDP(速報値)は、相次ぐ自然災害の影響で2四半期ぶりのマイナス成長。輸出は5四半期ぶり、設備投資は8四半期ぶりにマイナスに転じた。10日に改定値が発表される
  • 10月公表の日銀短観によると、2018年度の全規模・全産業の土地を除いた設備投資は前年度比9.2%増と、17年度の同4.6%増に比べ高い伸びとなる見通し。政府は11月の月例経済報告で、景気は緩やかに回復している、設備投資は増加しているとの基調判断を維持している

エコノミストの見方

日本総合研究所の根本寛之研究員:

  • 設備投資は災害要因が出てきたという印象。前期比でみるとかなりマイナスなのは4-6月期が大きかった反動。現時点では基調が変わったとはみていない
  • 人手不足が強く出ているので、省力化投資や合理化投資が堅調。前期から比べると落ちているが、高い水準にあるのは変わっていない
  • GDP改定値の設備投資への影響としては、若干の下方修正になり、マイナス幅が拡大する
  • 現時点での設備投資は、人手不足や設備投資の更新も出て内需がしっかりしている。それが大きく動かない限り緩やかな回復基調をたどる

クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミスト:

  • 設備投資の主な減速要因は自然災害だ。その一方、ここから非常に大きなリバウンドも期待できない
  • 東京オリンピック前の設備投資は終焉(しゅうえん)しつつあり、貿易戦争が長引くということは明確で、不確実要因を増幅させている。こういった不確実性はまず最初に企業のマインド、投資行動に影響を及ぼす
  • 設備投資の先行きには警戒感を持っておいた方がいい。経済全体でみても下振れリスクが大きい
  • ここまで堅調にきた設備投資の減速は日本の成長率が緩やかなものにしかならないということを示唆している

         
詳細

  • 設備投資は生産能力を増強した投資などから全産業では増加-財務省
    • 製造業の増加要因は、化学で自動車向け素材など、生産用機械で建設機械など、情報通信機械で半導体や半導体製造装置向けの部品の生産能力増強投資
    • 非製造業では、陸運で駅周辺の再開発が寄与。不動産で都心部中心にオフィスビルや商業施設建設、情報通信で通信設備投資が増加
  • 政府の月例報告で景気は緩やかに回復しているといわれるように、法人企業統計も経済全体の動向を反映したものとなった-財務省
  • 経常利益は全産業で9期連続プラス-財務省
    • 非製造業の増益要因は、情報通信で光通信サービスの増加、端末販売単価の上昇。卸売りで資源価格上昇による販売価格上昇、在庫評価益の計上。陸運で貨物運送単価上昇による収益の増加
    • 一方、製造業の減益要因は、情報通信機械で研究開発費などのコスト増、配当収入の減少。金属製品で原材料やエネルギー価格上昇によるコスト上昇。輸送用機械で為替差益の縮小、リコールなどの品質関連費用などコストアップ
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加して更新しました.)
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